• "ひろしま観光立県推進基本計画"(/)
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  1. 広島県議会 2022-12-04
    令和4年12月定例会(第4日) 本文


    取得元: 広島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-05
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 令和4年12月定例会(第4日) 本文 2022-12-14 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 67 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯議長中本隆志君) 選択 2 : ◯議長中本隆志君) 選択 3 : ◯林 大蔵君 選択 4 : ◯議長中本隆志君) 選択 5 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 6 : ◯議長中本隆志君) 選択 7 : ◯地域政策局長杉山亮一君) 選択 8 : ◯議長中本隆志君) 選択 9 : ◯商工労働局長川口一成君) 選択 10 : ◯議長中本隆志君) 選択 11 : ◯警察本部長森元良幸君) 選択 12 : ◯議長中本隆志君) 選択 13 : ◯議長中本隆志君) 選択 14 : ◯瀧本 実君 選択 15 : ◯議長中本隆志君) 選択 16 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 17 : ◯議長中本隆志君) 選択 18 : ◯瀧本 実君 選択 19 : ◯議長中本隆志君) 選択 20 : ◯地域政策局長杉山亮一君) 選択 21 : ◯議長中本隆志君) 選択 22 : ◯瀧本 実君 選択 23 : ◯議長中本隆志君) 選択 24 : ◯瀧本 実君 選択 25 : ◯議長中本隆志君) 選択 26 : ◯教育長(平川理恵君) 選択 27 : ◯議長中本隆志君) 選択 28 : ◯瀧本 実君 選択 29 : ◯議長中本隆志君) 選択 30 : ◯地域政策局長杉山亮一君) 選択 31 : ◯議長中本隆志君) 選択 32 : ◯瀧本 実君 選択 33 : ◯議長中本隆志君) 選択 34 : ◯総務局長(岡田芳和君) 選択 35 : ◯議長中本隆志君) 選択 36 : ◯瀧本 実君 選択 37 : ◯議長中本隆志君) 選択 38 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 39 : ◯議長中本隆志君) 選択 40 : ◯瀧本 実君 選択 41 : ◯議長中本隆志君) 選択 42 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 43 : ◯議長中本隆志君) 選択 44 : ◯瀧本 実君 選択 45 : ◯議長中本隆志君) 選択 46 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 47 : ◯議長中本隆志君) 選択 48 : ◯瀧本 実君 選択 49 : ◯議長中本隆志君) 選択 50 : ◯商工労働局長川口一成君) 選択 51 : ◯議長中本隆志君) 選択 52 : ◯瀧本 実君 選択 53 : ◯議長中本隆志君) 選択 54 : ◯土木建築局長(上田隆博君) 選択 55 : ◯議長中本隆志君) 選択 56 : ◯瀧本 実君 選択 57 : ◯議長中本隆志君) 選択 58 : ◯議長中本隆志君) 選択 59 : ◯宮崎康則君 選択 60 : ◯議長中本隆志君) 選択 61 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 62 : ◯議長中本隆志君) 選択 63 : ◯教育長(平川理恵君) 選択 64 : ◯議長中本隆志君) 選択 65 : ◯議長中本隆志君) 選択 66 : ◯議長中本隆志君) 選択 67 : ◯議長中本隆志君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:         午前十時三十一分開議 ◯議長中本隆志君) 出席議員五十四名であります。これより会議を開きます。              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         自第  一 県第九二号議案         至第四十八 報第二九号 2: ◯議長中本隆志君) これより日程に入ります。日程第一、県第九二号議案 令和四年度広島県一般会計補正予算から日程第四十八、報第二九号 損害賠償額の決定についてまでの各案を一括上程議題といたします。  昨日に引き続いて質問を行います。林 大蔵君。         【林 大蔵君登壇】 3: ◯林 大蔵君 皆さん、おはようございます。自由民主党広島県議会議員連盟の林 大蔵でございます。今次定例会、質問者として登壇の機会を与えていただき、中本隆志議長をはじめ、先輩、同僚議員の皆さんに心より感謝申し上げます。また、本日お越しいただいている支援者の皆様にも平素から大変お世話になっておりますことを、この場をお借りしまして心から感謝申し上げます。  本日は、広島県をもっと元気に、もっと明るくしたいとの思いを込めて質問してまいりますので、県当局には明快な答弁をお願いいたしまして、最初の質問に入ります。  質問の第一は、ひろしまブランドの価値向上に向けた取組についてお伺いします。  県では、ひろしまブランドの推進に関する業務を、令和二年度に商工労働局から総務局に移管するとともに、「安心 誇り 挑戦 ひろしまビジョン」に、全ての施策を貫く視点の一つとして、ひろしまブランドの強化を位置づけ、取組を全庁体制で推進されることを明確に示されました。取組に当たっては、広島の魅力づくりに貢献されている方々から御意見を伺うひろしまブランド未来会議の開催をはじめ、市町や多くの企業の皆さんとの意見交換を重ねながら、広島のすばらしさを磨き、発信していく、みんなで創るひろしまブランドの取組をオール広島で進めていこうとされております。  私自身、従来から、広島のブランド価値を高めていくためには、県民の皆さんの思いを深く理解することと、そして、様々な主体とともにオール広島で取組を推進していくことが重要であると考えていたことから、県の取組の方向性には賛同するところであります。また、こうした取組が企業の参画を得て始まったことに、県民の誇りの高まりにつながるものとして期待を寄せています。  そうした期待の一方、ひろしまブランドの強化の視点を個別具体の施策にどのように落とし込んでいくのかという懸念も抱いております。私は、ひろしまビジョンで掲げるひろしまブランドの強化を、全ての施策を通して広島のすばらしさを磨き上げ、県民の誇りにつながる強みを伸ばしていくことであると理解しております。こうしたブランド強化の視点から施策の成果を得ていくことが、ひろしまビジョンの目指す姿の実現に向けて重要であることは御承知のとおりですが、施策によっては残念ながら、任重くして道遠しと感じるものもあります。  例えば、スポーツで言えば、広島は昔から自他ともに認めるスポーツ王国であり、多くのトップスポーツチームが拠点を置くなど、スポーツを身近に楽しめる環境は県民の誇りです。しかしながら、そのスポーツ王国の土台と言えるジュニア選手の強化・育成を一つ取って見ても、指導者の育成・確保、子供たちが練習するスポーツ施設の充実といった課題は解消されず、こうした点からもブランドの視点を持って施策に取り組んでおられるのか、疑問が生じます。  また、県産食材については、我が会派の竹原議員から質問があったところですが、広島のおいしさで言えば、生産量日本一を誇るレモンやカキは産地化が図られ、ひろしまブランドに大きく貢献していますが、広島の食を代表するお好み焼きに使用されるキャベツやもみじ饅頭に使用される小豆はどうでしょうか。県内産を調達したいという声があるにもかかわらず、キャベツの多くは県外産であり、県内産小豆は生産量が少なく高価であるために使いにくい状況です。大消費地を抱えているにもかかわらず、県内で産地化が図られない原因はどこにあるのでしょうか。チャンスをみすみす逃しているように思えます。  私は、ブランドは、サービスを提供する側が受ける側の心の中に意図的につくるものだと思っています。だからこそ、県は、県民の皆さんの御意見をよく聞いた上で、強い意志を持って広島ならではの価値をつくり、多くの皆さんに届ける努力をしていかないとひろしまブランドは構築できませんし、県民の誇りの高まりにもつながりません。ひろしまビジョンの目指す姿を実現するためにも、ひろしまブランドの強化の視点を個別施策に落とし込み、成果につなげていただきたいと思っております。  そこで、ひろしまブランドの強化の視点をどのように捉え、今後の施策推進につなげていくおつもりなのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第二は、国際的なスポーツイベントの誘致について伺います。  近年、国内においては、ラグビーワールドカップ二〇一九、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会、二〇二一年世界水泳選手権など、大規模な国際大会が開催されております。
     本県でもこれまで、二〇一八年からアーバンスポーツの国際大会FISEが二大会連続で開催されました。第三回大会も本県での開催が予定されていたものの、残念ながら長引くコロナ禍により中止となっておりますが、このアーバンスポーツの注目度は、昨年の東京オリンピックを契機にますます高まっていると感じております。このため、今後も、広島がアーバンスポーツの拠点として国内外に認知されるためには、国際大会を継続的に開催していくことに加え、アスリートの育成強化と裾野の拡大に向けた取組を行っていくことが重要です。  このような国際大会や、注目度の高い競技大会を県内で開催することは、スポーツの振興や国際親善などに大きく寄与することはもとより、世界のトッププレーヤーの競技を実際にその目で直に見ることで、多くの県民にスポーツのすばらしさや感動を与えるなど、大きな意義を有するものとなります。  一方で、国際大会などの開催は、他の都市との誘致競合も厳しく、これまで広島で開催されてきたFISEであっても、一たび他の都市に開催を奪われると、再び広島で開催するのは非常に困難となってしまいます。令和五年度以降の開催に向け、引き続き、主催団体への働きかけをお願いいたします。  十二月に公開されたバスケットボールを題材にした映画「スラムダンク」では、一足先にインターハイの舞台としてこの広島の地が描かれており、県内スポーツの盛り上がりや、原作のファンなどによる聖地巡りなどの観光客の増加も期待されているところです。引き続き、トップアスリートを志す若者たちが広島の地に集い、世界の舞台へ羽ばたいていくための環境づくりを進めていき、広島がアーバンスポーツのみならず、様々なスポーツイベントの聖地となれるよう取組を推進していただくようお願いいたします。  そこで、他の都市との誘致競合も厳しい中において、本県でのアーバンスポーツの国際大会の継続開催や、国際的なスポーツイベントをさらに呼び込むためにも、今後どのように取り組まれていくのか、知事にお伺いいたします。  質問の第三は、G7広島サミットに向けた取組について、二点お伺いします。  一点目は、G7広島サミットに向けた施設整備の状況について伺います。  いよいよ、来年五月のG7広島サミットの開催まで残り約五か月となりました。この広島でG7サミットが開催されることは、ウクライナ情勢の緊迫化や、北朝鮮のミサイル・核開発などにより、核兵器使用のリスクへの懸念と不安が世界中に広がる中において、力強い平和へのメッセージを世界中に発信する、大変意義ある機会と私も感じております。十月の終わりには、広島駅にサミット二百日前のカウントダウンボードが設置され、今月には百五十日前のイベントとして、サミットフォーラムも開催されました。着々と、開催に向けた周知、歓迎の機運を高めるための取組が進められていると感じているところです。  さらに、施設整備についても、補正予算等により準備が進められております。具体的には、地域の魅力発信や国内・海外から広島へ来訪する警備、メディアなど、サミット関係者の利用促進を図ろうとする観光施設等において、受入れ環境の整備を実施する経費に対する補助を行っているほか、世界遺産の厳島神社がある宮島での道路整備、サミットでの利用が想定される縮景園や中央森林公園における整備なども行っております。  一方、例えば広島県立総合体育館においては、北側の城南通りから進入する場合はスロープがなく、エレベーターも少ないことから、広島市内の中心部に位置する施設としては、バリアフリーの観点などから整備の充実が必要ではないかと感じております。実際のサミット会場として想定される民間施設との連携強化や、世界中のメディアが集う国際メディアセンターなども、今後準備をされていくことと思います。  G7サミットの開催は、世界中の多くの人々からの注目が集まり、広島の魅力を世界に発信する絶好の機会でもあります。県有施設についても、施設の老朽化対策やユニバーサルデザインなども含め、引き続き課題の検証なども行いながら、万全な受入れ体制に向け、またアフターG7で見込まれる利用客の受入れに向け、おもてなし向上に向けた施設整備に取り組んでいただきたいと思います。  参加する各国首脳や代表団、マスメディアほか、多くの来訪者には、ぜひ広島の魅力に触れていただき、G7サミットの開催を通じて広島に来てよかったと思っていただけるよう、また、多くの県民にも広島で開催されてよかったと思っていただけるようなG7サミットとなるよう、官民一体となって、着実に整備を進めていただくようお願いいたします。  そこで、G7広島サミットに向け、万全な受入れ体制の整備に取り組まれているところと思いますが、県有施設における整備の進捗状況について知事にお伺いいたします。また、特に、利用客のおもてなし向上に向け、県立総合体育館については、バリアフリーなどの観点から整備の充実が必要と考えますが、アフターG7も見据えた整備方針を併せてお伺いいたします。  二点目は、G7広島サミットに向けた警備体制の強化について伺います。  サミットの開催に伴う警備体制につきまして、前回の伊勢志摩サミットでは、全国の警察からの応援を含めて最大時約二万三千人、前々回の北海道の洞爺湖サミットにおきましては、最大時で約二万一千人の体制で警備に当たられたと伺っております。今回のG7広島サミットは、地方都市ではありますが、リゾート地における開催とは異なり、住民が多く生活する都心部での開催となるため、警備体制も最大規模で行われることになり、県警察におかれましては、要人警護等に係る警備体制の強化や、関係機関との連携体制の構築、実践的な訓練の実施など、あらゆる事態を想定した取組が日々行われていることと思います。  先月には、中国、四国の県警トップが集まった会議が開催され、連携体制について確認されたほか、大型商業施設における事件を想定した合同訓練、海からの脅威に対応するための海上保安庁と連携した訓練、列車内での事件を想定したJR、消防との合同訓練などあらゆるテロ攻撃を想定した県警察における訓練の模様が、連日のように報道で取り上げられているところです。引き続き、「住む人 来る人 誰もが日本一の安全安心を実感できる広島県の実現」に向け、オール広島で警備体制の強化に取り組んでいただきますよう、お願いいたします。  ところで、大規模行事に当たっては、近年多発するサイバーテロ攻撃なども懸念されるところですが、昨年開催された東京オリンピック・パラリンピックでは、大会組織委員会の発表によれば、四・五億回のサイバー攻撃を全て防ぎ切り、これまでの五輪で起こっていた重大なシステム障害などが発生しなかったとのことであり、改めて、日本のセキュリティーのレベルの高さが証明され、世界から見た日本の信用度も増したところです。なお、本年三月には、全国の警察がサイバー犯罪の捜査技術を競うサイバーセキュリティコンテストで、広島県警察が優勝したという記事も拝見しているところであり、各国首脳が一同に集まるG7広島サミットにおいても、県警察が有する技術力を遺憾なく発揮していただきたいと思います。  また、広島サミット県民会議におかれましては、安全で円滑なG7サミットの開催に向け、地元住民への説明会が行われておりますが、県民生活に影響を及ぼす交通規制の内容などについては速やかな情報提供を行うなど、引き続き、県民の理解を求める取組を進めていただくとともに、県警察におかれましては、G7広島サミットを必ず成功に導くという強い決意の下、あらゆる事態を想定して綿密な警備計画を策定し、警察本部一丸となって準備を進めていただくよう、警察・商工労働委員長として改めてお願いいたします。  そこで、G7広島サミットに向けた関係機関との連携体制の状況と、万全な警備に向けた警備計画の策定状況について、警察本部長にお伺いいたします。  質問の第四は、アフターG7を見据えた観光振興施策の推進についてお伺いいたします。  本県の観光振興施策については、五か年の計画である「ひろしま観光立県推進基本計画」を策定し、国内外からの観光客の誘致促進と観光消費の増大による地域経済の活性化に向け、取り組まれております。現行の計画期間においては、平成三十年の豪雨災害や、長引くコロナ禍による影響を大きく受けたところでありますが、これまで、宿泊につながる夜間、早朝の観光プロダクトや、富裕層などに向けた多彩で質の高い観光プロダクトの開発、国内外の観光客の満足度の向上を図るための受入れ環境整備など、様々な取組が行われてきたところでございます。  さて、現行の計画期間である五か年が間もなく経過することに伴い、現在、県では、次の五か年の施策方針を定める次期計画の策定作業を進めているところでございます。このたび、当局から示された次期計画案では、ブランド価値向上につながる魅力づくり、誰もが快適かつ安心して楽しめる受入れ環境整備、広島ファンの増加に加え、三つの柱を支える土台づくりという四つの施策の方向性を掲げ、観光関連産業の回復に注力するフェーズや、観光を促進していくフェーズなどを整理した上で、各段階に応じて、必要な施策を切れ目なく展開することとされております。  これらの施策を県が力強く推し進めるためには、四つの施策が具体的にどのようなものを指し、将来的にどのような姿になるのかなど、県民や関係者の間でしっかりと共有されることが重要になってくると考えられます。本県の観光の目指す姿の実現に向け、次期計画がしっかりと浸透するよう、県民への十分な働きかけを行っていただき、取り組んでいただきたいと思います。  来年五月には、G7サミットが開催され、本県が持つ様々な魅力を国内外へ発信することにより、インバウンドの回復を図る絶好の機会であります。また、このG7サミットに向けては、県、市町、経済団体などの官民連携により、取組が進められておりますが、今後の観光振興施策の推進に向けても、このような視点が重要になってくると考えられます。「安心 誇り 挑戦 ひろしまビジョン」の実現に向け、引き続き、県が中心となって、様々な主体と連携して、アフターG7を見据えた観光振興施策を推進していき、着実に次の五か年の成果につなげていただきたいと思います。  そこで、アフターG7も見据えて策定することとなる次期ひろしま観光立県推進基本計画において、県は今後、どのような役割を果たし、どのように施策を進めていこうとされているのか、知事にお伺いいたします。  質問の第五は、海ごみ対策に向けた取組の推進について伺います。  近年、海洋に流出するごみ問題は、世界全体で取り組まなければならない地球規模での課題となっており、さきの決算特別委員会においても、我が会派の狭戸尾議員から海ごみ対策について質問がされたところです。  先月行われた大竹市阿多田島沿岸における海ごみの一掃作戦では、湯崎知事自らも参加されており、海ごみの現状は御承知のことと思います。また、知事は、今後、海ごみを減らしゼロにする取組を進めていく旨の発言もされておりますが、この取組を進めていくためには、海ごみの回収の取組だけでなく、環境負荷の少ないプラスチック製品の開発や、海で使用された資材の処分に向けた広域的な取組なども重要になってくると考えられます。  県では、「GREEN SEA 瀬戸内ひろしま・プラットフォーム」の参画企業と連携して、今年度から生活系プラスチックの使用量削減に向けたモデル事業を開始されておりますが、今後、このモデル事業について、課題と成果をしっかりと検証し、海洋プラスチックごみ流出ゼロに向け、取組を推進していただきたいと思います。  海ごみについては、漁業由来のものが多くあり、漁網やロープ、ブイ等に使用されるプラスチック素材や、カキいかだで使用された竹など様々なものがあります。  現在、漁業由来のプラスチックなどにおいては、環境負荷の少ない漁具の開発の取組も進められておりますが、生産コストの増加などにより、漁業者個々の努力では限界があると聞いております。また、カキ養殖の生産量が全国一である本県においては、カキいかだで多くの竹が使用されておりますが、この竹は、約七メートルと非常に長く、使用後の各自治体の処理施設への持ち込みが困難となっていると伺っております。カキの養殖は、県内広域的に行われており、使用済みとなった竹は、年間数千トンに上るとされているため、これだけの量を処分するには、市町を越えた広域的な取組が必要ではないかと感じているところです。  そこで、海洋プラスチックごみの使用量削減に向け実施されているモデル事業について、今後どのように横展開し、海洋プラスチックごみ流出ゼロにつなげていこうとされているのか、知事にお伺いします。  また、カキ生産量全国トップの本県として、カキいかだで使用された竹などの処分対策について、県による広域的な取組や支援が必要ではないかと考えますが、併せて御所見をお伺いいたします。  質問の第六は、本県における産業振興の取組について、二点伺います。  一点目は、ひろしまユニコーン一〇プロジェクトについて伺います。  近年、世界に羽ばたくような有望な企業、いわゆるユニコーン企業という言葉を耳にすることが多くなってきました。成功した企業の希少性を表すために、神話的なユニコーンという表現が使用されており、最近では、このユニコーン企業を目指すことをテーマにしたドラマなども放映されております。急成長するユニコーン企業の存在は、地域産業に刺激を与え、新たな価値を生み出し、企業や人材を引きつける効果が期待されているところです。  このユニコーン企業について、世界に目を向けてみますと、その数は二〇一七年に二百六十九社、二〇二〇年は五百六十三社、そして今年二〇二二年には一千社を超えるなど、ここ数年で急増しており、中でもアメリカ、中国で世界全体の七割を占めている状況です。  一方、国内では、令和四年十月時点において十二社と、近年少しずつ増えてきているものの、日本の経済規模から考えるとまだまだ少ない状況と言えます。残念ながら、県内においてもユニコーン企業は存在しておりません。  国内にユニコーン企業が少ない理由として、資金提供するベンチャーキャピタルが少ないことや、有望な若手が大手や有名企業に就職するため、起業家が生まれにくく、育成が進んでいないなど、安定志向の強い日本特有の要因なども挙げられています。  さて、今年度は福岡県にある福岡市スタートアップカフェを視察させていただきました。福岡市は、二〇一四年にグローバル創業・雇用創出特区に指定され、国による規制緩和と福岡市独自の施策を組み合わせて、創業支援や雇用創出に取り組まれており、開業率は全国の政令指定都市の中で一位となっているほか、今年九月には、初めて海外からユニコーン企業の進出が発表されたところです。  本県においても、起業や新事業の開拓を目指す、イノベーション・ハブ・ひろしまCamps、カーボンリサイクル分野の推進、ひろしまサンドボックス事業など、産業振興の取組は他県にも引けを取らないと思いますので、成長産業創出に向け、引き続き頑張っていただきたいと思います。  国では、岸田総理が年頭の記者会見において、本年をスタートアップ創出元年と位置づけ、ユニコーン企業を五年で百社創出することなどを目指す、「スタートアップ育成五か年計画」を先月策定したところです。ユニコーン企業の創出に向け、まさに気運が高まってきていると言えます。  このような醸成が図られる中、県では、今年三月に広島からユニコーン企業に匹敵するような、企業価値が高く、急成長する企業を十年で十社創出することを目標とした、ひろしまユニコーン一〇プロジェクトを立ち上げ、先日、支援を行っていく十二社が発表されたところです。県内産業のさらなる発展に向け、湯崎知事の下、開始されたこのプロジェクトを今後も力強く推し進めていただき、広島から世界に羽ばたくような企業が生まれてくることを期待しております。  そこで、ひろしまユニコーン一〇プロジェクトで支援を決定した事業者に対し、今後、県が具体的にどのように関わり、どのような支援を進めていこうとされているのか、知事にお伺いいたします。また、本県初となるユニコーン企業の創出に向け、このプロジェクトにかける意気込みを併せてお伺いいたします。  最後の質問は、知財支援の取組について伺います。  本県には、世界レベルのものづくり技術があり、ほかにはない製品や技術力を持つオンリーワン企業やナンバーワン企業と呼ばれる企業が数多く存在しております。このような技術の蓄積は、企業間の技術提携や共同開発だけでなく、新産業創出へとつながる原動力となっているところです。  さて、今年の県内企業の視察では、このオンリーワン・ナンバーワン企業である、地域を牽引する工作機械の有力企業や、高い鋳造技術を保有し、次々に独自の商品開発を行う企業などを視察させていただきました。その高い技術には大変驚かされ、本県が有する技術力は、まさにトップクラスであると感じた次第です。また今年は、こうした高い技術力を持つものづくり企業が国内外から一同に集う日本国際工作機械見本市も、東京ビッグサイトにおいて四年ぶりにリアルで開催され、私の甥っ子も出展企業のブースで登壇させていただきました。こうした技術などは、権利化することにより、中小企業であっても、時として大企業と対等以上に渡り合うことのできる強い武器となり得ます。  国は先月、スタートアップ企業の育成として、今後五年で十兆円を投資する方針を打ち出しましたが、このような創業から間もない企業が成功していくためには、他社にない独自性や創造性のある事業アイデアを特許権などにより権利化するとともに、戦略的に自社の経営に生かしていく知財戦略の考え方が重要となってまいります。  一方で、特許庁の調査研究報告によると、スタートアップ企業の革新的な技術やアイデアは、それ自体が知的財産として大きな価値があり、成長するためには、自社のビジネスモデルに合わせた知財戦略の構築が不可欠であるとされているものの、知財に対しての効果的なアドバイスを受けられたと回答した企業は、高度な技術や研究開発を扱うことが多いとされる大学発ベンチャー企業でさえも約二割と低い水準にとどまっております。  国が掲げるスタートアップ企業を五年で十万社創出するという目標の中において、自社技術の権利化や知財戦略の策定に対する企業からの支援のニーズと重要性は、今後ますます高まっていくものと考えられます。県においては、県内企業からの知財相談の対応として、ひろしま産業振興機構や広島県発明協会を窓口とする企業支援を行っておりますが、今後はユニコーン企業の創出を見据え、県内企業への知財支援の取組も強化していくべきと考えます。  そこで、知財支援における本県のこれまでの取組の状況について知事にお伺いします。  また、ユニコーン企業の創出も見据え、企業の知財知識のレベルに応じ、知財を総合的にサポートする段階的な仕組みづくりなどが必要となってくると感じますが、今後の知財支援の進め方について、併せてお伺いいたします。  私がお聞きしたいことは以上です。御清聴、誠にありがとうございました。(拍手) 4: ◯議長中本隆志君) 当局の答弁を求めます。知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 5: ◯知事湯崎英彦君) まず、ひろしまブランドの価値向上に向けた取組についてお答え申し上げます。  「安心 誇り 挑戦 ひろしまビジョン」に掲げるひろしまブランドの強化の視点は、本県の魅力的な観光地や、歴史・文化、自然、産業など全ての分野において、本県独自の資産を磨き上げ、その価値を発信することで、県民の皆様に広島の強みを再認識していただき、誇りにつなげるとともに、国内外からの共感の獲得につなげていくものとして、施策推進に重要な視点の一つに位置づけております。  こうした考えの下、ひろしまビジョンに掲げる十七の施策領域全てにおきまして、ひろしまのブランディングを意識した取組を推進することとしており、県民の皆様や市町、企業、団体など多様な主体と連携して、みんなで広島のすばらしさを磨き、発信する取組を、みんなで創るひろしまブランドを合言葉にスタートさせたところでございます。  取組に当たりましては、一貫性を持たせたオール広島の取組にするため、広島のもたらす中心的な価値を「ひろしまが誇る豊かで穏やかな風土、平和への想いと行動力は、すべての人へ、明日へ向かうエネルギーをもたらします。」と定義したところであり、この中心的な価値を県民の皆様の共感を得ながら進めていくこととしております。  その中心的な価値を構成する広島の魅力を、広島は元気にあふれ、おいしさの宝庫であり、暮らしやすいところというストーリーで表現しており、本県独自の資産を磨き上げ、その価値を発信していくことで、元気、おいしい、暮らしやすいという広島の魅力を国内外の多くの皆様に実感していただき、さらに評価されるというブランド価値が高まる好循環を創出していきたいと考えております。  こうした考え方は、ひろしまブランドの強化に取り組む上でのよりどころになるものと考えており、職員一人一人が理解を深めるとともに、事業に関わるステークホルダーの共感を得て、ひろしまブランドの価値向上に向け、共に価値を磨き、発信するという、共に創る共創の実践に努めているところでございます。  職員の理解促進に向けましては、ブランド価値を高める上で必要となる顧客視点やマーケティング技術の習得のための研修、ブランド化に向けた部局横断の勉強会、外部専門家等を活用した事業戦略の改善などに取り組んでおります。  また、共創の促進におきましても、多様な主体との対話と連携を通じて、広島ならではの強みを生かして価値を磨き上げていくこと、歴史・文化等の背景も合わせて発信していくことなどの観点を踏まえた取組などが出始めているところであり、より一層、こうした取組を強化してまいりたいと考えております。  今後とも、こうしたブランド強化の視点を踏まえた取組を推進し、さらに深化させていくことで、魅力ある地域として国内外の皆様から支持され、将来にわたって選ばれ続ける広島県を実現してまいりたいと考えております。  次に、国際的なスポーツイベントの誘致についてでございます。  国際的なスポーツイベントや注目度の高い競技大会を県内で開催することは、県民の皆様に、世界のトップアスリートによる競技の魅力や迫力に直接触れていただく貴重な機会となることから、大きな意義を有するものと認識しております。  特に、アーバンスポーツにつきましては、二〇二四年のパリオリンピックにおきまして、BMXやスケートボードに加え、音楽に乗せてアクロバティックな動きを取り入れたダンスであるブレイキンが競技として新たに追加されるなど、一層の注目を集めているところでございます。また、アーバンスポーツは、若者を中心に高い集客力があり、スポーツの枠を超えて観光、地域の活性化にもつながるなど、成長が期待できるものと認識しております。  このため、アーバンスポーツの国際大会を今後も広島で継続的に開催できるよう、過去二回のFISE開催実績、大会開催を通じて培ってきた競技団体などとの関係性などを生かしながら、主催団体である一般社団法人アーバンスポーツ支援協議会に対し、引き続き、国際大会の誘致を働きかけてまいります。  また、アーバンスポーツ以外の国際的なスポーツイベントの誘致につきましては、本年九月に日本サッカー協会の会長に対し、二〇二四年のサッカースタジアム完成を記念した日本代表戦の開催、二〇二五年以降の日本代表の平和祈念試合の開催について要望し、前向きに検討するとの回答を頂いたところでございます。今後もこうした取組により、引き続き、国際的なスポーツイベントの誘致に積極的に取り組んでまいります。  次に、アフターG7を見据えた観光振興施策の推進についてでございます。  G7広島サミットの開催は、本県の様々な魅力や価値を世界中に発信し、世界各国から広島を選び訪れてもらえる絶好の機会であり、また、令和七年には大阪・関西万博や、本県でも世界バラ会議福山大会の開催なども予定されていることから、アフターG7も見据え、サミット開催を契機とした観光振興施策に全力で取り組んでいく必要があると認識しております。  また、サミット開催に向けましては、県、市町、経済団体、民間事業者等官民が一体となって開催準備を進めているところであり、こうして新たに生まれた連携を一過性のものにすることなく、今後の観光振興施策につなげていくことも重要であると考えております。  こうした認識の下、現在、策定作業を進めております次期「ひろしま観光立県推進基本計画」におきましては、この計画策定の意義を、市町やDMO、観光関連事業者など観光に携わる様々な主体をはじめ、全ての県民の皆様に対し、本県の観光が目指す姿が共有され、その実現に向けそれぞれの役割を理解し、担いながら、計画で示す取組の方向性に沿って、これまで以上に一体感のある観光施策を推進することとしております。  次期計画の素案の中で掲げる県や県観光連盟の具体的な役割につきましては、本計画に基づいた戦略策定や施策の実施、県域全体の観光振興、他県や市町、地域DMO等との連携の促進、観光産業の連携を促す仕組みづくりなどとしておりますが、観光に携わるそれぞれの主体が担うべき主な役割についても明確化しているところでございます。  また、次期計画案における施策の方向性につきましては、災害や感染症の発生など、現計画期間中に浮き彫りになった課題なども踏まえ、「安心 誇り 挑戦 ひろしまビジョン」の観光領域に掲げる三つの柱であるブランド価値向上につながる魅力づくり、誰もが快適かつ安心して楽しめる受入れ環境整備、広島ファンの増加に加えまして、それら三つの柱を支える土台づくりとして、想定外の環境変化にも対応できる観光推進体制の促進などにも取り組んでいくこととしております。  県といたしましては、県民の皆様や観光に携わる様々な主体に対し、計画で示している目指す姿や施策の方向性などをしっかりと共有し、アフターG7やアフターコロナも見据え、まずはインバウンドをはじめとした、国内外から本県への観光需要のV字回復に重点的に取り組んでいくとともに、オール広島の体制で、今後の観光振興施策を強力に推進してまいりたいと考えております。  次に、海ごみ対策に向けた取組の推進についてでございます。  海洋プラスチックごみの使用量削減に向けた取組につきましては、「GREEN SEA 瀬戸内ひろしま・プラットフォーム」の参画企業等と連携して、今年度から新たに生活由来のワンウエープラスチックなどを対象に、代替素材の普及促進や循環的利用の高度化に向けたモデル事業を実施しており、新たなビジネスモデルの構築につなげてまいりたいと考えております。モデル事業では、これまでに海洋生分解性プラスチック素材を活用した宿泊アメニティーの実用化推進、デポジット制と繰り返し使用可能なリユース容器を組み合わせた循環型の食品や日用品の販売、ポイント還元によるシャンプーボトルなどのプラスチック容器の回収と水平リサイクルなど、五件のプロジェクトに取り組んでおり、現在は、関係者が連携・協力しながら、実証フィールドで消費者への製品やサービスの提供を進めているところでございます。  今後は、製品、サービスのコストや性能のほか、消費者の受け止めなど、様々な観点からモデル事業の成果と課題の検証を行い、その結果を素材、製造、小売流通といった多様な主体が参画しているプラットフォーム全体にフィードバックし、関連する企業やサプライチェーンへ広く横展開を図っていくとともに、プラットフォーム内のマッチングを通じ、課題の解消や新たなプロジェクトの創出につなげてまいりたいと考えております。  また、こうした製品やサービスが広く定着していくためには、消費者の理解や意識醸成が重要でありますことから、マスコミや消費者団体などが参画するプラットフォーム内の情報発信ワーキングにおきまして、効果的な情報発信や啓発活動を推進してまいります。  次に、カキ養殖から発生する廃棄物としましては、主に竹、パイプ、フロートがあり、パイプとフロートにつきましては、作業場から海に流出させない取組や、廃棄物として適切に処理することなどを指導しているところであり、パイプの流出は減少してきているものの、フロートは海岸への漂着が減っておらず、引き続き流出防止の指導を行ってまいります。  また、容量が大きい竹につきましては、市町を越えて広域で処理するという考え方がございますが、そのためには、関係する市町が一般廃棄物を処理するルールに合意した上で場所を選定する必要があることや、大量の竹を受け入れる施設の確保など様々な課題があるために、市町や漁業者団体と共に解決策を探ってまいりたいと考えております。  そのほか、竹に代わって耐久性の高い素材を使用することで、廃棄物を減少させる取組や、竹を粉砕して燃料として活用する試験も始まっており、コスト面を含め、実用化に向けた課題を整理しながら、生産現場への普及に向けて関係者と協議を進めてまいります。  今後とも、美しく恵み豊かな瀬戸内海を次世代へ継承していくため、多様な関係者の皆様と一体となって、海ごみ対策の推進に積極的に取り組んでまいります。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁させていただきます。 6: ◯議長中本隆志君) 地域政策局長杉山亮一君。         【地域政策局長杉山亮一君登壇】 7: ◯地域政策局長杉山亮一君) G7広島サミットに向けた施設整備の状況についてお答えいたします。  G7広島サミット開催決定を受けまして、サミットにおいて活用される可能性が高い施設を選定した上で、整備の必要性と期間を勘案し、現在、国際メディアセンターの候補である県立総合体育館のトイレの洋式化や照明のLED化、首脳等の訪問先として提案している宮島の公園路の補修などに取り組んでおり、いずれの施設も遅滞なく進捗しているところでございます。  一方で、本県の公共施設等の改修につきましては、広島県公共施設等マネジメント方策に基づき、老朽化対策やユニバーサルデザイン化の推進などに計画的に取り組んでいるところでございます。  このうち、県立総合体育館につきましては、スポーツイベントだけでなく、コンサートや商業イベントなど、県内外から幅広く御利用いただいており、全ての利用者の皆様に快適に御利用いただけるよう、バリアフリーの観点から、これまでエレベーター付近に車椅子利用者用駐車場を確保し、車椅子対応の自動販売機を設置するとともに、男子、女子のトイレ内におむつ替え台、ベビーベッドを設置するなどの取組を実施しております。加えて、G7広島サミット後も利用者へのおもてなし向上につながるよう、G7広島サミットに併せて、トイレの洋式化などに取り組むこととしたところでございます。  引き続き、利用者の方々に快適に御利用いただけるよう、バリアフリーの観点も十分に配慮しながら、施設・設備の充実を図ってまいります。 8: ◯議長中本隆志君) 商工労働局長川口一成君。         【商工労働局長川口一成君登壇】 9: ◯商工労働局長川口一成君) 二点についてお答えいたします。  まず、ひろしまユニコーン一〇プロジェクトについてでございます。  ユニコーン企業とは、創業十年以内の未上場で企業価値十億ドル以上の企業などと一般的に定義されておりますが、ひろしまユニコーン一〇プロジェクトは、このユニコーン企業に匹敵するような企業を、今後十年間で十社、本県から創出することを目標として、本年三月から開始したプロジェクトでございます。計画的に取り組むため、当面百社のターゲット企業をリストアップし、集中的に支援することとしておりますが、まずはその第一弾として十二社の支援を決定したところでございます。  今回、支援を決定した十二社に対しましては、ベンチャーキャピタルや東京証券取引所グロース市場へ上場を果たすなど、成功を収めた起業家による企業成長に必要なノウハウの提供、ベンチャーキャピタルや提携を希望する企業に対するプレゼンテーションの場の設定、ベンチャーキャピタルとのネットワークの形成などの支援を進めております。このほか、当プロジェクトにおきましては、ユニコーン候補となる企業がビジネスに必要な人材、企業と交流できるコミュニティーの形成、伴走型の支援や、支援先企業が開発した製品・サービスの市場調査、海外展開支援などの取組を通じて、今回、支援を決定した十二社に限らず、広島の地で急成長を志す企業をサポートしてまいります。  また、国に対しまして、地方で不足している先輩起業家などの経験者の人材プール化や、スタートアップ等からの公共調達を促進する制度創設のほか、ベンチャー企業等が資金調達しやすい環境の整備などを要望しているところでございます。  このプロジェクトは極めて高い目標を掲げていることから、国の「スタートアップ育成五か年計画」における支援策をしっかり活用し、併せて、その充実を国へ働きかけていきながら、十年間で十社創出という目標に向けて、本県初となるユニコーン企業を、まずは、一社生み出すことに全力で取り組んでまいります。
     次に、知財支援の取組についてお答えいたします。  県内企業の成長に向けて、経営力の強化を図るためには、企業の有する独自技術やノウハウの保護による競争力の維持や向上、研究成果の活用による新事業展開などを促進する知的財産の創出・活用が、重要であると認識しております。  このため、これまでも公益財団法人ひろしま産業振興機構及び一般社団法人広島県発明協会と連携して、知財活用支援のワンストップ窓口として、広島県中小企業知財支援センターを運営し、企業からの相談に対応してまいりました。具体的には、このワンストップ窓口におきまして、特許権取得の出願や事業化段階にある独自技術の保護のための相談対応、知的財産経営の重要性を普及・啓発するセミナーや、企業内において知財戦略推進を担う人材育成講座の開催などに取り組んでいるところでございます。  今後、大きな成長が見込まれる企業の輩出に向けましては、海外展開に向けての海外での特許権等の取得や、自社のみで研究開発などの目的達成が困難な場合の大学や異業種企業との連携などの、いわゆるオープン・イノベーション戦略の構築が重要であるとの認識の下、これらに関する相談対応の充実に取り組みたいと考えております。  こうした取組に加えまして、より質の高い知的財産の創出・活用の支援に対応するため、急成長を志し、今後の県産業を牽引していく企業を生み出す、ひろしまユニコーン一〇プロジェクトや、知財戦略の構築等を伴走支援する国の知財アクセラレーションプログラムなどと一体的に施策展開を図ることにより、企業の成長段階や知財戦略に関する取組の状況に応じたきめ細かな支援につなげてまいりたいと考えております。 10: ◯議長中本隆志君) 警察本部長森元良幸君。         【警察本部長森元良幸君登壇】 11: ◯警察本部長森元良幸君) G7広島サミットに向けた警備体制の強化についてお答えいたします。  まず、関係機関との連携体制についてお答えいたします。  当県警察では、平成三十年に広島県テロ対策パートナーシップ推進会議を設立し、消防、海上保安庁、自衛隊等の関係機関や鉄道等の重要インフラ事業者、大規模集客施設を営む事業者等に参画をいただいており、現時点で五十七機関・団体と官民一体となったテロ対策を推進しております。  最近では、大規模ショッピングモールにおける施設管理者と連携したテロ対処訓練、JR西日本との合同による走行中の列車内における不審者対応訓練、海上保安本部や港湾事務所等と共同したテロリスト上陸阻止訓練などを実施しております。  G7広島サミット警備におきましては、地元機関だけでなく、国レベルでの連携や調整も行われるものと認識しておりますが、いずれにしましても、外務省や広島サミット県民会議、広島県、広島市等の関係機関との連携を密にし、サミット警備の万全を期してまいります。  次に、警備計画の策定状況についてお答えいたします。  現在、G7広島サミットにおきまして、いかなる施設が使われることになるかは決定されていないと承知しておりますが、県警察といたしましては、会場候補地や首脳の行き先地となり得る施設の実地調査等を進めており、こうした施設に対する危険や脅威の分析を踏まえながら、警備措置の内容、それに伴う必要人員の積み上げなど、警備計画の策定に向けた作業を進めているところでございます。  なお、こうした警備計画の策定に当たりましては、県民生活の利便とのバランスにも配意する必要があると考えております。あわせて、実際に現場で警備に当たる部隊の練度向上も不可欠と認識しており、これら要員に対する実戦的訓練を継続的に推進するなどして、対処能力の向上を図っております。また、関係施設等に対するサイバー攻撃の脅威に備えるため、サミット関係施設や重要インフラ事業者等とサイバー攻撃対策に係る情報共有や共同対処訓練等の取組を進めております。  係る取組を今後も鋭意推進し、開催期間中には万全の体制でサミットの安全、円滑な進行と県民の皆様の安全・安心の確保を図る所存でございます。 12: ◯議長中本隆志君) この際、暫時休憩いたします。午後の会議は一時から開きます。         午前十一時二十七分休憩              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         午後一時一分開議 13: ◯議長中本隆志君) 出席議員五十三名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続いて質問を行います。瀧本 実君。         【瀧本 実君登壇】 14: ◯瀧本 実君 皆さん、こんにちは。広島県議会民主県政会、広島市佐伯区選出の瀧本 実です。今次定例会におきまして質問の機会を与えていただきました中本議長をはじめ、先輩、同僚議員の皆様に心から感謝を申し上げます。  それでは、一問一答方式で質問いたしますので、早速、質問席に移動させていただきます。(質問用演壇に移動)  質問の第一は、スポーツの振興についてお伺いいたします。  スポーツ庁は、本年度から五年間の施策の指針である「第三期スポーツ基本計画」において、週一回以上運動する成人の割合であるスポーツ実施率の目標値を、第二期の六五%から七〇%に引き上げました。スポーツ実施率は、新型コロナが拡大した二〇二〇年度に五九・九%と、過去最高を記録したそうです。意外な感じがしますが、コロナ禍の行動制限で、運動不足解消の意識が高まったためではないかと分析されています。しかし、その後、東京五輪、パラリンピックが開催された昨年度は、逆に三・五ポイント減の五六・四%となりました。残念ながら、スポーツの実施率に寄与するような開催国効果は見られなかったようです。  コロナ禍で、スポーツは言わば不要不急であるかのように扱われ、日々の生活が大きく制限されることで、個人にとっては、体力の低下やストレスの増加、閉塞感の蔓延等の悪影響が生じました。また、社会にとっては、スポーツを核にした地域での交流不足や、スポーツビジネスの収益低下などの悪影響を及ぼしました。  このような影響が顕在化したことで、むしろスポーツが、我々の生活や社会に活力を与えるという重要な役割を果たすことが示されました。こうした非常事態においても県民がスポーツの価値を享受できるよう、スポーツの振興に一層力を入れるべきと考えます。  現在、外出制限はなくなり、集団での運動、スポーツの活動や施設利用の制限も緩和されつつあります。  本年二月定例会でも触れましたが、スポーツの持つ魅力を地域の活力につなげていくためにも、そのベースとなる県全体のスポーツ施設のマネジメントを行いつつ、戦略的視点に立ったハード面の整備を促進することが必要と考えます。  「第二期広島県スポーツ推進計画」においては、県立スポーツ施設の計画的な改修や施設整備の方針検討に取り組むとともに、県立学校体育施設や大学、企業のスポーツ施設など、既存施設の有効活用を図ることとしていますが、具体的な計画作成と実際のハード整備は順調に進んでいるのか、現状と今後の方針について知事にお伺いいたします。  また、とりわけ県総合グランドについては、広島市の中心部に近く、多様な競技に対応した施設がまとまっていることから、本県のスポーツ振興に果たす役割は大きいと考えますが、歴史があり、設備が老朽化しています。今後の改修予定について、併せてお伺いいたします。 15: ◯議長中本隆志君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 16: ◯知事湯崎英彦君) 本県では、「安心 誇り 挑戦 ひろしまビジョン」におきまして、スポーツを活用した地域活性化や、誰もがスポーツに親しむ環境の充実を取組の方向として掲げており、そのためには、拠点となるスポーツ施設の整備・充実が重要であると認識しております。  このため、県立スポーツ施設の更新、改修につきましては、施設の機能維持や利用者の安全を確保するという観点から計画的に行っており、今年度は、県立総合体育館では、武道場の移動式間仕切りや大アリーナ等のエレベーターの工事、びんご運動公園では、大規模大会や公認競技会の開催に必要な陸上第二種競技場認定のための工事、みよし公園では、アリーナの耐震化工事などを実施しております。  来年度につきましては、県立総合体育館は、本館のエレベーター工事、びんご運動公園は、テニスコートの人工芝改修などの実施について、検討しているところでございます。  県総合グランドにつきましても、広島市中心部近くにメインスタジアム、ラグビー場、野球場など多様な競技に対応できる施設が集積しており、県民の皆様だけではなく、県外からも合宿で利用されるなど、スポーツ交流の拠点となっているものと認識しております。  県総合グランドの整備につきましては、これまで、メインスタジアムの陸上第二種競技場認定のための工事などを行ったほか、今年度は、野球場のフェンス改修などの安全対策を実施しており、来年度は、野球場のスコアボードのLED化を計画しているところでございます。  今後とも、スポーツを核とした豊かな地域づくりに向け、拠点的な役割を担っている県立スポーツ施設の充実を図り、県民の皆様に幅広く活用されるよう取り組んでまいります。 17: ◯議長中本隆志君) 瀧本 実君。 18: ◯瀧本 実君 今、各施設の計画的な改修のお話をいただきました。ぜひとも計画が計画どおり進むように進めていただきたいというふうに思います。  本県のスポーツ振興に向けては、競技力の向上も重要な要素であると考えます。  本県にはプロスポーツチームが多く存在し、スポーツがより身近にあると言えます。ある一般社団法人が二〇一九年に実施したアンケート、スポーツを現地観戦する人が多い都道府県ランキングでは、広島県は男性が十三位、女性が堂々の一位だったとのことです。スポーツ観戦が好きな県民性から、本県からのプロ選手の輩出による競技への注目度や競技人口の底上げ効果は大きいと考えます。  近年、少子化による児童生徒の減少やスポーツ以外への興味の分散などにより、トップアスリートを目指すことのできる選手の確保が難しい中、本県では、運動能力の高い児童生徒の早期発掘に努めています。  コロナ禍を経て、小学校高学年を対象としたスーパージュニア選手育成プログラムも再開され、また、本年度からは、中学生を対象として、スポーツ能力に優れたジュニア選手が、専門性の高いコーチから指導を受けることのできるひろしまスポーツアカデミーが新設されました。  こうした取組にはぜひ力を入れていただきたいと思いますが、競技力向上に向けたジュニア選手の発掘・育成の現状と今後の方針について地域政策局長にお伺いいたします。  また、成年選手については、全国的に、企業が支えるスポーツクラブや企業の運動部が休廃部となっており、選手の確保と競技を継続する環境が厳しくなっていると認識していますが、本県の現状と今後の方針について、併せてお伺いいたします。 19: ◯議長中本隆志君) 地域政策局長杉山亮一君。         【地域政策局長杉山亮一君登壇】 20: ◯地域政策局長杉山亮一君) 競技力の向上につきましては、国体総合成績八位の目標達成に向けて、これまでも県スポーツ協会と連携して取り組んでおりますが、今年度の総合成績は二十六位に落ち込み、特に、少年の部は四十六位と低迷しており、ジュニアアスリートの発掘・育成が重要であると認識しております。  ジュニア選手の発掘・育成につきましては、小学生向け発掘事業の対象学年の拡大に加え、令和四年度からは、中学生を対象とした種目特化型の発掘・育成プログラム、ひろしまスポーツアカデミーを実施しているところでございます。  現在、このアカデミー生の中から、国体選手やU十五の日本代表選手が選出されており、少しずつ成果が現れ始めているものと認識しております。  今後は、このプログラムと高校での競技力向上拠点校事業との連携を図り、小・中・高の連続性のあるジュニアアスリートの育成システムを確立し、強化を図ってまいります。  また、成年選手につきましては、本県においては近年、女子サッカーチームの解散や企業の野球部の廃部など、企業が支えるスポーツ環境が厳しくなっている状況が見受けられるものの、様々な競技で、実業団チームの選手が、国体をはじめ、世界大会、全国大会で活躍しているところでございます。  県といたしましては、引き続き、強化合宿やトップコーチの招聘などを通じた競技力向上に向けた強化支援、広島横断型スポーツ応援プロジェクトTeamWISHによる認知度向上に取り組んでまいりたいと考えております。  こうした取組を県スポーツ協会、競技団体などの関係者としっかり連携し実施していくことにより、トップアスリートを継続的に輩出し、本県ゆかりのアスリートが国際大会や全国大会で活躍することで、応援する県民の皆様に一体感や地域への誇りが生まれる状態を目指してまいります。 21: ◯議長中本隆志君) 瀧本 実君。 22: ◯瀧本 実君 ぜひとも、ジュニア、そして青年とも、関係団体と連携していただいて、継続的にフォローしていただくようにお願いいたします。  また、現在行われているワールドカップサッカーも非常に盛り上がっているところであります。とりわけ、日本チームの躍進や選手の活躍、さらには、世界のスーパースターたちのプレーは、県内のサッカー少年にも夢を与えていると思います。広島県スポーツ推進計画の基本理念である、スポーツの力で社会を変える。未来へつなぐ。この実現に向け、今後もスポーツの振興に力を尽くしていただくよう要望して、次の質問に移ります。  質問の第二は、学校部活動の地域移行についてお伺いいたしますので、教育長は答弁待機席に移動をお願いします。 23: ◯議長中本隆志君) 教育長、答弁待機席へお願いいたします。 24: ◯瀧本 実君(続) 国は、公立中学校の部活動の指導を地域のスポーツクラブや民間の教室等に委ねる地域移行を推進しています。来年度から三年間を改革集中期間と位置づけ、まずは休日の部活動から取り組み、行く行くは平日にも広げる構想です。  これは、少子化による生徒数の減少により、地域や学校によっては、部活動の維持が難しくなっていることや、教員の部活動を含めた働き方改革が求められていることから、学校の枠を超えた場への移行が必要とのことです。  こうした現状を踏まえれば、部活動の地域移行が必要であることは理解できます。しかし、費用や指導者の確保など課題は山積しており、本当にできるのかというのが正直な気持ちです。  地域のスポーツクラブや民間の教室が部活動の受皿となる場合、新たに会費や月謝が必要になり、それらは保護者負担となります。受益者負担が当然とはいえ、地域によって金額に大きな差が出ない公平性の担保や、経済的に困窮する世帯への配慮が必要になると考えます。また、地域や部活動の種類によっては、適切な指導者が見つからないケースも想定されます。  さらに、中学校の学習指導要領で、部活動は学校教育の一環とされています。平日は教員が指導し、休日は外部の人材が指導した場合、競技へのこだわりの違いなど、指導方針にギャップが生じて生徒が混乱する可能性もあります。  先般、国は、休日の部活動の地域移行を、二〇二五年度末までに離島や山間部を除いた全国で達成することを目標に掲げたガイドライン案を示しました。多くの課題がある中で、あまりにも性急に進めることにより、現場や生徒に混乱が生じることを危惧しております。  部活動の地域移行については、生徒が安心してスポーツや文化活動に取り組めるよう、あくまで生徒を議論の中心に据えて進める必要があると考えますが、本県の地域移行に係る現状と課題をどう認識しているのか、教育長にお伺いいたします。 25: ◯議長中本隆志君) 教育長平川理恵君。         【教育長平川理恵君登壇】 26: ◯教育長(平川理恵君) 公立中学校の部活動の地域移行に当たりましては、地域社会において、生徒の多様なスポーツ、文化体験の機会を確保し、生徒の望ましい成長を保障する必要があると捉えております。  このため、部活動の地域移行に当たりましては、生徒の活動の充実の観点から、これまで受けられなかった専門性のある指導を受けることが可能となること、複数校での合同活動による練習環境の充実や大会への参加機会の拡大などについても、県内三市におきまして、国の地域運動部活動推進事業を活用して、実践研究を行っているところでございます。また、十一月に県市町担当課長会議を開催し、国の概算要求の内容等について説明するとともに、各市町の取組状況等について意見交換したところでございます。  こうした取組によって見えてきた課題といたしましては、これまでのスポーツ、文化芸術団体等の受皿がないこと、指導者の確保が困難であること、保護者の費用負担が生じることに加え、学校、保護者、生徒、スポーツ団体等、それぞれの考え方、認識のずれがあること、市町ごとで取組の進捗に差が見られ、一部の市町は取組に着手できていないことなどが明らかになったところでございます。  今後は、こうした課題につきまして、市町や関係団体等と丁寧に議論を行い、生徒が安心してスポーツや文化活動に取り組めるよう整理を進め、部活動の地域移行が円滑に進むよう、取り組んでまいります。 27: ◯議長中本隆志君) 瀧本 実君。 28: ◯瀧本 実君 私は、部活動の地域移行における大きな課題として、指導する人材の確保が挙げられると考えています。  現在、地域移行を検討、試行されている自治体もありますが、多くが指導者の確保に苦心されているようです。都市部か地方か、競技人口が多いスポーツかどうなのかなどによって、指導者になり得る人材の数に差があります。特に中山間地域や島嶼部では、この課題に直面するのではないでしょうか。  また、指導者は、生徒を預かる重要な任務を負うことになるため、安全性の確保や緊急時の対応、ハラスメント対策など、身につけるべきことが多く、研修などによる指導者の質の担保も不可欠と思われます。  本県においては、九月、東広島市が地域移行に向け、本年度中に検討会議を設け、来年度からモデル地域で試行する方針を示しました。そして二〇二六年度には市全域での展開を目指すとのことです。同じく広島市も、来年度の先行導入と二〇二五年度末までの市全域実施の方針を示しました。  今後、ほかの市町においても検討が進められていくと思いますが、県としても、市町や学校に丸投げするのではなく、関係部局がしっかりと連携して、一緒に取り組んでいただきたいと思います。  そこで、部活動の地域移行に係る指導者の確保について、地域間格差が生じないよう、また、教育現場に過度な負担が生じないよう、県が指導者の掘り起こしや人材バンクの整備、指導者の研修など、積極的に関わる必要があると考えますが、地域政策局長の御所見をお伺いします。 29: ◯議長中本隆志君) 地域政策局長杉山亮一君。         【地域政策局長杉山亮一君登壇】 30: ◯地域政策局長杉山亮一君) 指導者の確保につきましては、市町や関係者などからも御意見を頂いており、県としても、地域移行における重要な課題として認識しているところでございます。  十一月に国が公表し、現在、意見公募手続を行っている学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドライン案におきましては、指導者の確保について、地域クラブ活動の運営主体・実施主体は、スポーツ、文化芸術団体の指導者のほか、部活動指導員となっている人材の活用、退職教師、教師等の兼職兼業、企業関係者、公認スポーツ指導者、スポーツ推進委員、競技、活動経験のある大学生、高校生や保護者、地域おこし協力隊など、様々な関係者から指導者を確保するとされています。  また、生徒が生涯にわたってスポーツ、文化芸術に親しむ機会を確保し、生徒の心身の健全育成等を図るためには、指導の質の確保も重要な課題であると認識しております。  具体的には、体罰やハラスメントの防止だけでなく、生徒との十分なコミュニケーションを図りながら、適切な休養を取り、過度の練習を防止するとともに、効率的、効果的なトレーニングを導入していく必要があると考えております。  本県といたしましても、国や他の自治体の状況なども参考にし、市町や地域との情報共有を図るとともに、スポーツ、文化芸術団体等の協力を得ながら、指導者の発掘、把握に努め、地域間格差が生じることのないよう具体的な検討を進めてまいります。 31: ◯議長中本隆志君) 瀧本 実君。 32: ◯瀧本 実君 部活動の地域移行を進めるに当たって、地域の事情は様々で、生徒や保護者、教員のニーズも様々です。現実的には、地域や学校現場の実情に応じて進めていく必要があります。先ほど教育長の答弁にもありましたが、クラブ活動は教育の一環だということでありますので、しっかりと関係部署と連携を図っていただきたいと思います。例えば、部活動に対して意欲の高い教員が実際に多く存在しております。それを頼って入部する生徒が多数いるのも事実です。そうした思いにしっかりと応える柔軟な対応が必要になると考えます。  地域移行については、非常に複雑で難しい課題があると思いますが、現場の声に耳を傾け、生徒への影響を最優先に考えて進めていただくよう要望して、次の質問に移ります。  質問の第三は、財政健全化の取組についてお伺いいたします。  本県の財政は、景気低迷による県税収入の落ち込みや、数次にわたる経済対策などのために増発した県債の償還費の急増、社会保障関係費の増加などにより、これまで厳しい状況が続いてきました。  近年では、二〇一八年七月豪雨災害への対応や、新型コロナの影響による県税収入の減少などにより、財政状況はさらに厳しさを増している状況であると認識しています。  本県の実質的な県債残高は、令和三年度末時点で一兆二千億円余となり、前年度に比べ約二十億円増加しています。また、県債全体の残高は一般会計と特別会計を合わせると約二兆五千億円となり、前年度に比べ二百七十六億円余り増加しています。どちらも途方もない数字であり、不安を抱く県民も多いと思われます。  また、財政構造の持続可能性を判断する指標である将来負担比率は、令和二年度決算時の約二一六%から、令和三年度決算では約一九七%と改善されているものの、いまだ全国平均の約一六〇%を大きく上回っており、全国順位も三十四位と、健全な財政運営とは言えない状況です。  今後も、激甚化、頻発化している豪雨災害への対応や長期化する新型コロナへの対策、加えて世界情勢に揺さぶられる物価高騰への対策と、財政健全化の面からすれば厳しい状況が続くのではないかと推察されます。  そこでまず、財政健全化の取組について、現状の評価と今後の見通しを総務局長にお伺いします。
    33: ◯議長中本隆志君) 総務局長岡田芳和君。         【総務局長岡田芳和君登壇】 34: ◯総務局長(岡田芳和君) 本県では、令和二年度に策定した「中期財政運営方針」に基づき、財政運営目標として、財源調整的基金の残高について百億円以上の残高を維持すること、将来負担比率について二〇〇%程度に抑制することの二つを定め、経費節減や歳入確保、県債発行額のマネジメントなどに取り組んでおります。  こうした取組により、令和三年度末の財源調整的基金の残高は四百六十六億円、令和三年度の将来負担比率は一九六・六%となるなど、財政健全化に向けた歩みを着実に進めているところでございます。  しかしながら、頻発する豪雨災害への対応のため、多額の県債の発行を余儀なくされている状況にあるほか、新型コロナウイルス感染症や物価高騰への対応など、新たな課題にも的確に対応していく必要があることを踏まえますと、今後も厳しい財政環境が続くものと考えております。 35: ◯議長中本隆志君) 瀧本 実君。 36: ◯瀧本 実君 財政の健全化に向けては、歳入の確保に努めることはもちろんですが、やはり、歳出をいかにコントロールするかが重要になると考えます。  コロナ禍において、国は二〇二〇年に特別定額給付金として、国民に一律十万円を現金支給しました。しかし、生活支援策として実施されたにもかかわらず、七割程度が貯蓄に回ったとの指摘があります。  国民にとってみれば、頂けるなら頂くというのが当然の感情かとは思いますが、一方で、本当に必要なのか、次世代の資産を食い潰すようなことをしてよいのかという思いを抱いた方は少なくなかったと思われます。私も、非課税世帯、独り親世帯など、特に厳しい状況にある方に的確に届くような施策が必要ではないかと強く感じました。  本県としても、地域の実情に応じた効果的な施策を推進していく必要があります。「中期財政運営方針」においては、歳出に関わる取組として、施策や事業のプライオリティーや費用対効果の検証、評価を一層徹底した経営資源マネジメントを行うとあります。こうした取組を進めるためには、事業者や県民生活の実態を十分に把握することが不可欠と考えます。財政健全化に向けた今後の施策の選択と集中の在り方について、知事の御所見をお伺いいたします。 37: ◯議長中本隆志君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 38: ◯知事湯崎英彦君) 様々な情勢が不透明な中におきましても、将来にわたって、県勢発展に必要な施策を安定して推進していくためには、施策や事業の選択と集中を徹底するなど、経営資源の最適配分に向けた不断の取組を進めていく必要があると考えております。  このため、本県では、「中期財政運営方針」に基づき、毎年度の予算編成におきまして、施策や事業の優先順位づけや、費用対効果の検証、評価を徹底した経営資源マネジメントを実施し、選択と集中を図っているところでございます。その過程におきまして、県内の市町や事業者などの声を伺いながら、県内経済や県民生活の実態を的確に把握するとともに、目標達成に向けた課題などを分析し、適切に施策へ反映することとしております。  こうした取組を通じ、ひろしまビジョンに掲げる目指す姿の実現に向けた施策、直面する課題である新型コロナウイルス感染症対策や物価高騰対策などに、引き続き、重点化を図ってまいります。  今後とも、中期財政運営方針に基づき、歳出歳入の両面にわたる取組を行うとともに、将来負担の着実な縮減を進めていくことにより、経済の低迷や大規模災害などのリスクに備えつつ、新たな課題や変化にも柔軟に対応できるしなやかな財政運営を行ってまいりたいと考えております。 39: ◯議長中本隆志君) 瀧本 実君。 40: ◯瀧本 実君 将来負担額の着実な縮減にしっかりと努めていただくとともに、その結果を、やはり県民の皆さんに広島県がどういう状況なのかということを共有することも非常に大事だと思いますので、そういったことを県民の目線で分かりやすく示していただくことを強く要望して、次の質問に移ります。  質問の第四は、広島西飛行場跡地の有効活用についてお伺いいたします。  県と広島市は、二〇一七年三月に「広島西飛行場跡地利用計画」を策定し、約五十ヘクタールの広大な土地を四区画に分けました。現在、北端の広域防災ゾーンは、ヘリポートなどとして使われています。その南隣の新たな産業・雇用ゾーンでは、大和ハウス工業が産業団地広島イノベーション・テクノ・ポートを開発し、モルテンや大和物流などの企業が次々と区画を購入し施設整備を進めています。その南隣、スポーツ・レクリエーションゾーンでは、広島市が七月にグラウンドなどの造成を始めています。そして、南端の新たな産業にぎわいゾーンのみ、活用策がいまだ決まっていない状況であります。  にぎわいゾーンは、二〇一七年に実施した事業者公募において、水陸両用機の運航拠点の計画が有識者会議の審査を通らず、計画を見直すことになりました。その後、二〇一九年には国際会議も開ける大規模展示場の整備が検討されましたが、二〇二〇年、収支リスクを考慮し、県は着手を見送ることとしました。にぎわいゾーンについては、確かにこれまで紆余曲折ありましたが、ここ二年ほどは動き自体が止まっているように見受けられます。  県と市はこれまで、事業者にヒアリングをしてきており、その中での意見として、交通アクセスが悪く、突端部で商圏が少ない、新型コロナの影響により現時点で投資判断ができない、近隣するマリーナホップの将来計画が明確に分からないと検討ができないといったものがあったそうです。  マリーナホップは、二〇二五年に営業を終える予定で、その跡地には、アジア圏随一のモビリティーエンターテイメントの聖地として、自動車など各ディーラー、最先端のモビリティー研究、EVカートコースやシミュレーターなどを整備する構想です。マリーナホップを含めた周辺の将来像は明らかになってきており、にぎわいゾーンの利活用に向けて、再び動き出す時期に来ていると思います。  県と市は、マリーナホップ跡地の提案事業者を含め、広く事業者から聞き取り、現在の民間主導型の開発が可能なのか検証すべきと考えます。その結果、方向転換が必要なのであれば別の方法でもよいし、また、社会情勢からしばらくは判断できないということであれば、最低限の整地の上、一時的にでも貸し出すなどして、イベントやスポーツなどに使えばよいと思います。  県と市は、飛行場跡地を、中四国全域の発展にまで影響を与えるほどの高いポテンシャルを有していると評価しています。私も同感であり、だからこそ、この土地をこれ以上遊ばせることは許されず、一歩ずつでも前に進める必要があると考えます。  そこで、広島西飛行場跡地利用計画の策定から五年以上たちますが、利活用策が決まっていない新たな産業にぎわいゾーンについては、周辺の将来像が明らかになってきていることから、今後の方針をしっかりと示してほしいと思いますが、知事の御所見をお伺いします。 41: ◯議長中本隆志君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 42: ◯知事湯崎英彦君) 広島西飛行場跡地の新たな産業にぎわいゾーンにつきましては、平成二十九年度に県と広島市で策定した「広島西飛行場跡地利用計画」において、瀬戸内海を望む美しい景観を有する跡地の特性を生かして、広域から人を呼び込み、にぎわいと交流を創出する施設を導入することとしております。  これまで、平成二十九年に実施した事業者公募で事業者が決まらなかった原因分析を行った上で、最近の社会情勢の変化や、周辺の各事業が進捗している状況を踏まえた追加ヒアリングを行うなど、広島市と共に活用策を検討してまいりました。  こうした中で、当該ゾーンの周辺におきましては、現広島FMP開発事業用地で、令和四年一月に次期運営事業予定者が選定されたほか、スポーツ・レクリエーションゾーンにおきましても、ソフトボールや少年野球が同時に四面確保できる多目的スポーツ広場の整備に着手しているなど、将来に向けた具体的な動きが始まっているところでございます。  このため、利活用策が決まっていないにぎわいゾーンにつきましては、改めて民間事業者に県市共同で、これら周辺各事業の進捗状況や、新型コロナウイルス感染症等の社会情勢の変化などを踏まえたヒアリングを行い、検討を進めているところでございます。  今後とも、事業者ヒアリングの結果も参考にしながら、にぎわいゾーンを含めた各エリアが相乗効果を発揮するとともに、周辺の施設とも連携し、広島の新たな拠点として、広島の魅力を広く発信できるよう、引き続き、広島市と共に検討してまいります。 43: ◯議長中本隆志君) 瀧本 実君。 44: ◯瀧本 実君 しっかりと、県市共同で事業者のヒアリング等を行って広島の発展に寄与するように取り組んでいただきたいというふうに思います。現状、あの周辺というのは高い建物がございません。近隣を通る車の中からもよく見えます。そうすると、あそこは今後どのような使われ方をするのかという声があり、県民の皆さんの関心も非常に高いので、そういった意味では、飛行場跡地の有効活用については、県民の期待する声も大きいと思います。社会情勢も刻々と変化している中、当初計画の実現性をしっかりと検証していただきながら、最適な方法を見いだしていくよう要望し、次の質問に移ります。  質問の第五は、次期「ひろしま観光立県推進基本計画」についてお伺いいたします。  県では現在、来年度からスタートするこの計画の策定を進められています。県議会での審査を経て、現在、パブリックコメントを実施されております。このたびの本文案を見ますと、三年間の新型コロナの影響を受け、総観光客数など、計画に掲げた目標が思うように進んでいないことは十分理解できます。  一方で、県は、アフターコロナを見据えて、国内外からの観光客をV字回復させるための取組をさらに加速させていくため、観光プロダクト開発に積極的に取り組まれているところです。本文案におきましても、観光客が適度に訪れ、かつ熱狂する観光プロダクトをたくさん開発することを掲げられています。  観光客にとって選択肢が増えることは歓迎すべきことですが、一方でたくさんあり過ぎてよく分からず、結局、宮島や尾道など、名の知れた観光地に集中してしまうということも懸念されるところです。  私は、こうした課題を解決するには、デジタル技術を積極的に活用していくことが重要ではないかと考えます。多くの人がスマートフォンから観光情報を入手し、オンラインで旅行を手配することが日常になっている現在、観光客自身の発想で様々な観光プロダクトを選んで、お好みのコースをつくれるようにするという取組も必要ではないでしょうか。  そこで、次期ひろしま観光立県推進基本計画の期間において、観光プロダクトをどのくらいの数、規模で開発するのかということと、観光プロダクト同士をどのように組み合わせて、最終的に観光消費額の増加に結びつけようとしているのか、知事の御所見をお伺いします。 45: ◯議長中本隆志君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 46: ◯知事湯崎英彦君) 本県の観光消費額を増加させ、観光が県経済を支える産業の一つとなるためには、多様化している観光ニーズに対応した付加価値の高い観光プロダクトを県内各地域に取りそろえ、観光客の皆様の期待値を超える満足度を絶えず提供していくなど、観光客の皆様に何度も本県を訪れてもらえるリピータブルな観光地づくりを進めていくことが重要と考えております。  こうした認識の下、次期「ひろしま観光立県推進基本計画」の素案におきましては、ブランド価値向上につながる魅力づくり、誰もが快適かつ安心して楽しめる受入れ環境整備、広島ファンの増加の三つの柱と、それらを支える土台づくりを施策の方向性として掲げており、ブランド価値向上につながる魅力づくりに向けて、新たな観光ニーズやインバウンド需要などを踏まえた高付加価値で持続可能な観光プロダクトの開発や、観光以外の異業種を含む幅広い事業者による観光プロダクト開発の連携促進などに取り組んでいくこととしております。  観光プロダクトにつきましては、新たな観光推進体制移行後、県内全域への数多くの開発が進んでいるところでございますが、県観光連盟においては、次期計画期間中におきましても、例えば、百万人が集まる観光地を一か所つくるよりも、一万人が熱狂するような観光地を百か所つくるという、ロングテールな観光地づくりを進めていくこととしております。  具体的には、サイクリングや食、ナイトタイムエコノミーなどのテーマに沿った高付加価値の観光プロダクトや、インバウンド需要を踏まえたアドベンチャーツーリズムなど持続可能な観光プロダクトなどを開発していくほか、サイクリングによるピースツアーとカキの水揚げ体験を組み合わせるなどの異業種間における観光プロダクトのブラッシュアップも進めてまいります。  また、新たに開発した観光プロダクトなどへの誘客を図っていくため、各ターゲットの特性に応じた最適な媒体や手法を用いた情報発信や、県内各エリアに点在する観光プロダクトをテーマに応じて編集したプロモーション、デジタル技術など新しい技術を活用し、観光客と事業者、あるいは観光客同士など双方向での交流や情報発信などに取り組みまして、広島ファンの増加を図っていくこととしております。  次期計画期間におきましては、県と県観光連盟が中心となり、県内市町やDMO、観光関連事業者等と連携して、観光消費額の増加に向け、こうした取組を強力に進めていくことで、計画期間中のマイルストンとして掲げている令和七年の目標である観光消費額六千三百億円の達成を目指して、全力で取り組んでまいります。 47: ◯議長中本隆志君) 瀧本 実君。 48: ◯瀧本 実君 ぜひとも、県、そして県観光連盟等、関係するセクションで、しっかりと連携を図っていただきたいというふうに思います。  この計画案では、本県において二〇五〇年温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指すひろしまネット・ゼロカーボン宣言にも触れられており、その中で、ゼロカーボンツーリズムの推進が掲げられています。ゼロカーボンツーリズムとは、ブロックチェーン技術を活用し、観光地で創出される再生可能エネルギーを、電気自動車や燃料電池自動車にリアルタイムに割り当て、走行時のCO2の排出量を完全にゼロにする取組です。例えば、太陽光発電による温室栽培を行う農園と提携して農作物の収穫ツアーを実施し、圃場で使わず余った再エネ電力で、送迎用の電動車を走らせるといったものであり、時流に乗った物語性のある取組であると期待しております。  本県において、今後、ゼロカーボンツーリズムを実現していくためには、観光部門だけでなく、環境部門における主体的な取組も欠かせないと考えており、相乗効果を発揮する上でも両部門が密接に連携し、県内でモデル地域を選定することなども検討する必要があると考えます。  そこで、ゼロカーボンツーリズムの推進に向けて、今後、具体的にどのように取り組んでいこうとされているのか、商工労働局長にお伺いいたします。 49: ◯議長中本隆志君) 商工労働局長川口一成君。         【商工労働局長川口一成君登壇】 50: ◯商工労働局長川口一成君) SDGsや地球環境保護等への関心の高まりに伴い、特に欧米豪をはじめとする外国人観光客から、観光分野においても、自然・文化資源の保全などが強く求められており、今後、本県の観光施策を進めていく上で、ゼロカーボンツーリズムの推進等、環境対策と観光振興を両立させる取組がますます重要になってくるものと認識しております。  こうした認識の下、次期「ひろしま観光立県推進基本計画」の素案におきましては、外国人観光客の関心の高いゼロカーボンツーリズムをはじめとした持続可能な観光プロダクトや、ゼロカーボンツーリズムに係る実証事業や観光事業者による省エネ対策などの脱炭素に向けた受入れ環境整備の促進などに取り組む方針といたしております。  一方で、ゼロカーボンツーリズムを具体的に推進していくためには、観光関連事業者等における環境意識の向上や浸透、観光施設や観光地への移動手段等におけるゼロカーボン化の促進方策、ゼロカーボンツーリズムによる採算性や収益性の確保といった課題を有しているものと考えております。  こうした課題の解決に向けましては、観光関連事業者等に対する環境意識の向上に向けたセミナー等の実施、交通事業者が行うEV車両などの導入や宿泊施設が行う照明などの自動制御システムの整備への支援、ゼロカーボンツーリズムの採算性等を検証するための事業者と連携した実証事業などを実施することにつきまして関係部局と検討し、ゼロカーボンツーリズムを推進してまいりたいと考えております。 51: ◯議長中本隆志君) 瀧本 実君。 52: ◯瀧本 実君 現状では、円安を追い風に、訪日客が増加、国内的にもコロナ禍の制限緩和により、リベンジ消費も増加傾向にあります。広島のポテンシャルを最大限に引き出すために、新しい技術や新しい価値観を大いに生かし、もう一度訪れたいと思ってもらえるような観光施策を進めていただくよう要望し、次の質問に移ります。  最後の質問は、私がこれまで一般質問で幾度となくお尋ねしてきました地元広島港五日市地区の港湾整備関係で、今回は港湾緑地の整備についてお伺いいたします。  五日市地区の港湾緑地は、地域の要請を受けて暫定グラウンド等が整備され、平成二十九年七月から地域の交流の場として利用されていますが、本格的な緑地整備には至っておりません。  そのような中、平成三十年に県が取りまとめられた広島港長期構想において、当該地区は憩い・にぎわいの場となる親水空間・交流拠点を形成する地区として位置づけられています。  地域からは、野球やサッカー、ソフトボールなどができるスポーツ施設を望む声が大きく、早期に本格的な整備を進めるべきと考えますが、今後どのように取り組んでいくのか、土木建築局長の見解をお伺いいたします。 53: ◯議長中本隆志君) 土木建築局長上田隆博君。         【土木建築局長上田隆博君登壇】 54: ◯土木建築局長(上田隆博君) 広島港五日市地区の港湾緑地につきましては、平成三十年に取りまとめた広島港長期構想において、住民や港湾利用者などの皆様がレクリエーションやスポーツを楽しみ、憩い触れ合うことを目的としたにぎわい空間などを整備することとしております。  緑地整備予定地は、平成二十五年に埋立てが完了しており、廃棄物処理法に基づく廃止基準を満たすまでは本格的な整備に着手できないことから、その間の有効活用として平成二十九年から、地元の意向を踏まえ、一部区域において仮設グラウンドとして利用していただいているところでございます。  令和元年には、廃止に係る手続は完了いたしましたが、土地の沈下が終息していないことから、現在においても、暫定利用を継続している状況でございます。  今年度からは、広島市や地元関係者などの意見・要望を踏まえ、本格的な緑地整備に向けた利活用に係るニーズ調査に取り組むなど、緑地の整備方針を検討しているところでございます。  県といたしましては、引き続き、広島市や地元関係者と連携しながら皆様に活用していただける魅力ある緑地として整備が進むよう、取り組んでまいります。 55: ◯議長中本隆志君) 瀧本 実君。 56: ◯瀧本 実君 今、答弁にもありましたけれども、今後、関係者のヒアリング等を行われるということでありますので、着実に、ある意味スピード感を持って進めていただきたいというふうに思います。これまで、港湾整備で、工事の騒音やほこりなど不便を強いられた近隣住民の方も多くおられます。そういった地元の声もよく聞き取っていただき、今後の整備を進めていただきますように強く要望いたします。  質問は以上ですが、最後に一言申し上げます。  コロナ禍も丸三年がたとうとしており、これまで、様々な交流やビジネス、体験の機会が失われました。特に、子供たちは大人以上に深刻です。私たちが子供の頃、当然のように経験してきたことが、三年間という大変重要な期間でできてこなかったということです。  ある小学校では、今年、三年生になって初めて水泳の授業を受けることになった児童が、下着の上から水着を知らずにはいてしまったそうです。こうしたお話を聞くと、胸が痛みます。子供たちが伸び伸びと、やりたいと思ったことができる社会がいち早く戻ってくることを切に願います。  今後も、子供たちを含めた様々な声に寄り添い、県民生活をよりよいものにしていかなくてはなりません。議会と執行部は車の両輪であり、緊張感を持って、県勢発展と県民福祉の向上のために活動してまいりたいと考えます。  以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 57: ◯議長中本隆志君) この際、暫時休憩いたします。休憩後の会議は、午後二時十分から開きます。         午後一時五十四分休憩              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         午後二時十分開議 58: ◯議長中本隆志君) 出席議員五十三名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続いて質問を行います。宮崎康則君。         【宮崎康則君登壇】 59: ◯宮崎康則君 皆さん、こんにちは。自民議連の宮崎康則でございます。今次定例会におきまして質問の機会を与えていただき、議長をはじめ、先輩、同僚議員各位に心から感謝を申し上げます。本年最後の質問者となりました。過去の質問を踏まえ、分かりやすい答弁を期待し、最初の質問に入らせていただきます。  初めに、県の目指す地方分権型国家の方向性について伺います。  私が初当選した頃は、道州制や地方分権について議論され、特に私は広島市という政令市から選出されていることもあり、強い関心を持っておりました。過去の質問においても、何度かこのことについて質問してまいりました。  本県では、真の地方創生の実現には、国から地方への権限と財源の移譲など、さらなる地方分権改革を推進し、将来的には地方分権改革の究極の姿として、地方分権型道州制への移行が必要との考えの下、様々な取組を進めてきました。  平成二十七年には、地方分権型道州制の在り方について提言を取りまとめ、この道州制の意義について、シンポジウムの開催など通じて県民に対し機運醸成を図ってきたところですが、全然と言っていいほど盛り上がらず、今ではまさに死語と化しています。最近では、コロナ禍の影響もあるかもしれませんが、こうした県民の理解促進を図るためのシンポジウムも開かれておりません。  知事は今年八月に、全国知事会の地方分権推進特別委員長として、内閣府特命担当相に地方分権改革の一層の推進について提言されております。この中で、国と地方の税収割合が六対四である一方、歳出割合が四対六と乖離があるため、まずは五対五とすることを目標として税収割合と歳出割合の乖離を縮小し、自主財源比率を高めていくことを求めています。この提言では、分権型地方道州制といった新たな広域自治体への移行については触れられておりません。  一方、広島市を含む全国二十の政令指定都市から成る指定都市市長会は、令和四年七月二十日に自民党本部を訪ね、道府県から指定都市への事務、権限と税財源の移譲を積極的に進めるとともに、道府県から独立させる特別自治市の法制化など、地域の特性に応じた多様な大都市制度の早期実現を要望されたとのことです。  我が会派の松岡議員が以前、一般質問において、この特別自治市の制度導入の是非について質問したところ、新型コロナウイルス感染症や大規模災害など広域的な課題に対する対応能力の低下や税財源分配の不均衡、他の市町への影響など、知事は、現在の都道府県制度を前提とすれば大いに疑問であるとの認識を示されました。私も、全くの同意見であります。  広島県の人口約二百七十九万人のうち、広島市民は約四割の百十九万人で、県の税収の四割は人口比と同じく広島市民が納めています。広島県経済にとって、広島市はいわば経済成長のエンジンとも言えます。  県は、広島市をしっかりと後押ししていく必要がありますが、それは、広島市だけが成長するためではなく、広島市などが経済成長することで得られる果実を広域自治体である県がバランスを取りながら広島市を含む二十三市町に再分配して県全体を維持、発展させ、好循環を生み出し、適散・適集の持続可能な社会をつくり出していくのが県の役割であると私は思うのであります。  知事は、地方分権型道州制への取組を諦められたのでしょうか。提言にあるとおり、新しい広域自治体への移行を棚上げして、まずは国から県へ財源の移譲を促す、名を捨てて実を取る方針に転換されたのでしょうか。  数年は、災害やコロナへの対応など喫緊の課題に追われていたのは理解しますが、地方分権型道州制を実現するためには、地方分権の推進という大きな考えの下で、国の在り方、国と地方の関係、そして地方自治の在り方について、地道に議論を重ね、長期的な視点で取り組んでいく必要があります。  今後、知事は地方分権型道州制の実現に向けて、道州制に賛同する他の県とどのように連携し、取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。
     次に、地方分権による権限移譲についてです。  平成五年に、衆参両院による地方分権の推進に関する決議より始まった地方分権改革により、機関委任事務の廃止や、国から都道府県、都道府県から市町村への権限移譲など、着実に進展してきました。特に、政令指定都市は、県の八割の権能があり、保健衛生、福祉、教育、環境、まちづくりなど、様々な権限が委譲されています。  私が特に関心を持っているものについてお伺いしたいと思います。  まず一点目は、公立高等学校における県と基礎的自治体の役割についてです。  本県の中学校三年生の在籍者数は、県教育委員会の調べによると、ピークであった平成元年度を一〇〇とした場合、本年度は五二・〇、令和十二年度には四八・〇と、少子化が着実に進んでおります。例えば、令和三年における本県の子供の出生数は一万八千六百三十六人で、令和四年度の中学三年生が二万五千三百八十九人です。暦年と年度というように条件が異なることから単純に比較できませんが、ざっと計算すると、今後十四年間で約六千八百人弱も減少することになります。  これを高等学校の学級数で換算すれば、県内で百七十学級程度減少することとなり、現在でも定員割れが相当数出ている公立高等学校は、現状を維持できない可能性があります。今後、子供の数はさらに減少していくものと思われます。  こうした状況の中で、広島市内の高等学校の設置状況を見ると、県立高校が十六校、広島市立の高等学校が八校となっておりますが、例えば、商業高校や工業高校は県立と市立で一校ずつあり、将来的には、同じような専門学科が二校も必要なのかという議論が巻き起こってくるものと考えます。  県内では、広島市のほか、福山市、呉市、尾道市が学校を設置しており、特に指定都市である広島市は学校教育法により、高等学校を設置する際には県から認可を受けるのではなく、届出のみで足り得ることとなっております。  しかしながら、高等学校の場合は義務教育である小中学校と異なり、専門学科など学校の特色が明確であるため、生徒の多様なニーズに対応するためには、広範囲から学校を選択できるようにする必要があること、教職員の資質向上を図るためには人事異動の範囲を広げ、色々な学校で経験を積む必要がありますが、市の設置する高等学校では異動先が限られること、県と市の教育方針が必ずしも一致していないため、同じ行政区にある公立高校にもかかわらず、市立と県立に進学した生徒の間で教育の方向性に差が出てしまうなどの問題が生じるのではないかと考えます。  これまで、広域自治体から基礎的自治体に権限移譲してきた中、これだけ少子化が進み、人口減少が加速する社会において、逆に基礎的自治体の業務を広域自治体に移譲すべきものもあるのではないかと思います。  ちなみに、大阪市では、大阪市内に府立高校、大阪市立高校の双方がありましたが、生徒数の減少や二重行政の解消という観点から端を発して、本年度から、全ての市立高校を大阪府に移管いたしました。また、大阪府立大学と大阪市立大学も統合し、大阪公立大学となりました。府教委は、移管によって教員の異動の範囲が広がり、資質向上につながる、あるいは、教員の人事異動や高校の再編や定員の変更を府全体で効率よく実施できるなど、その狙いを説明しています。また、市教委は、より小中学校などの義務教育に集中することができることを移管のメリットに挙げております。大阪の取組は今年度から始まったばかりですので、成果が見えるまでにはもう少し時間がかかると思いますが、広島県においても同様の取組が必要となるのではないでしょうか。  再編整備は、関係者の理解を得ることや施設整備等に相当な時間がかかりますので、早めに議論を進めていく必要があるのではないかと思います。また、高校の再編整備を進めるに当たっては、県と市の役割分担の在り方を踏まえ、県立高校だけではなく、基礎的自治体が持つ高校の再編整備、つまり公立高等学校の再編という大きな視点で検討する必要があると考えますが、教育長の御所見をお伺いいたします。  二点目は、県費負担教職員制度についてです。  義務教育である市町立の小中学校等の教職員については、その給与費等を都道府県が負担し、その人事権は都道府県教育委員会が有するという、いわゆる県費負担教職員制度となっています。  しかしながら、指定都市の学校の教職員については、特例としてその人事権は指定都市教育委員会が有しており、従前は、人事権者と給与負担者が異なる状態にあったことから、この状態を解消するため、いわゆる第四次分権一括法の施行により、平成二十九年度以降、県費負担教職員の給与等の負担事務等が都道府県から指定都市へ移譲されました。また、教職員定数や学級編成基準の設定に係る権限についても、県から指定都市へ併せて移譲されたところであります。  これにより、指定都市である広島市は、自らの権限で市立の小中学校等の教職員の採用や人事異動、そして、教職員数や学級編成の設定を行うなど、独自に義務教育を行うことができるようになったわけです。  こうした県から指定都市への権限移譲については、国において、長い年月をかけて関係者で議論を重ね、実施されたものですが、県議会においても、これまで様々な議論がなされてきたところです。  その課題として、指摘されてきましたものを挙げますと、県域と広島市との人事交流や人材育成が必ずしも円滑にできていない中で、給与負担の権限に加えて、教職員定数や学級編成の設定に係る権限が委譲されると、教職員の勤務条件に格差が生じ、広域人事を生かした県全体としての教職員の資質向上が図れなくなること、教職員給与について、広島市が独自に決めるため、給与水準の高い広島市とそれ以外で給与の格差が広がる可能性があり、教職員の採用において、広島市に希望者が集中するおそれがあることなどから、広島市とそれ以外の市町の学校との間で教育格差が生じ、県内の義務教育において、教育水準を一定の水準に保つことができなくなるのではないかという疑念が生じるというものでございます。  私もこれらの指摘に同感であり、また、人事異動があっても転居の必要のない場合が多いことから、広島市を希望する教職員が多いともお聞きしておりますが、県内において義務教育の格差が生じてはならないと考えております。  そこで、県費負担教職員の給与負担事務をはじめ、教職員定数や学級編成基準の設定に係る権限が、県から政令指定都市へ移譲されて五年が経過しているところですが、現在、どのような影響や課題等が出ていると認識しておられるのか、また、その課題等の解決に向けてどのように取り組んでいかれるのか、教育長にお伺いいたします。  次に、中山間地域などにある小規模校の意義について伺います。  なお、本日は、湯来南高校の元PTA会長で、現在は学校運営協議会の委員をされている方にお越しいただいておりますので、ぜひ、教育長には分かりやすい答弁を求めたいと思います。  県教育委員会では、平成二十六年から十年間を計画期間とする「県立高等学校の在り方に関する基本計画」に基づき、高等学校の再編整備に取り組んでおられるところです。  そのうち、一学年一学級規模の高等学校においては、学校関係者、所在する市町及び市町教育委員会等で構成する学校活性化地域協議会を設置して、教育活動や部活動等において他校に見られない取組の強化等による活性化策を検討し、三年間活性化に取り組んだ後、全校生徒数が二年連続八十人を下回った場合には、県教育委員会は、学校活性化地域協議会の意見を聞くなどして、その在り方を決定することとなっております。  令和四年二月定例会において、私が、中山間地域などにある小規模校の存在意義をどう認識しているのかについて質問したところ、教育長は、地域の次代を担う人材の育成という観点からも、非常に重要な役割を担っているものと考えている。次期計画においては、十分配慮する必要があると考えていると答弁されました。  まず、この答弁にあった配慮とはどのような配慮なのか、具体的に教えてください。  また、一学年一学級規模の高等学校においては、全校生徒数八十人を一つの目安としていますが、在り方に関する基本計画を策定された当時と比べ、少子化のペースはさらに進んでいます。地元中学校の生徒が全員入学しても八十人に届かない地域も多々出ています。コロナ禍において、各学校のネットワーク環境や一人一台端末の整備が進み、小規模校であっても多様な学びが可能となっています。授業料が実質的に無料化されたことで、私学を選択する生徒も増えています。  このように基本計画を策定した当時から、社会環境が劇的に変化している今、この八十人という基準も弾力的に見直す必要があると考えます。そもそも、この八十人という基準はどのような考えに基づいて決めたのか、併せてお伺いいたします。  先日、湯来南高校を訪問し、学校が取り組んでいる生徒募集の取組について話を聞いてきました。中山間に位置する湯来南高校には、現在、地元からだけではなく、五日市など沿岸部からも多くの生徒が通学してきています。こうした生徒の中には、都市部にある規模の大きな学校での学校生活になじめず、規模が小さく、一人一人の個性に応じてきめ細かな学びを提供できる小規模校に魅力を感じて入学してきているとのことです。  教育委員会は、在り方基本計画の中で、小規模校の課題として、生徒に確かな学力、豊かな心及び健やかな体を育成していくためには、生徒数が少ないと学校行事や部活動等の集団教育活動で制約が生じやすい課題があり、また、教職員数が少ないと出張や研修等の調整、組織的な指導体制を組むことが難しくなるとしています。  しかし、湯来南高校に進学してくる生徒の中には、教育委員会が課題としている点が必ずしも課題ではなくて、小規模校にこそ魅力を感じている生徒や保護者が一定数おり、中学校からも、ぜひなくさないでほしいとの声が寄せられているとのことです。  都市部は学校も多く、私学も含め選択肢がたくさんありますが、中山間地域のように交通の便が悪く、生徒数が少ない地域では、地元の公立高校しか選択肢がありません。二月定例会において、教育長が答弁されたとおり、小規模校は地域の次代を担う人材の育成という観点からも、非常に重要な役割を担っており、学校がなくなることで、将来的に地域に与える影響は少なくありません。こうした地域の教育こそ、公立が担うべきではないかと思います。  そこで、公立の小規模校が担う役割、そして、公立高校の意義について教育長にお伺いいたします。  次に、急速に進む少子化への対策について伺います。  少子化は社会や経済の活力を奪い、社会保障制度を危うくするなど、大きな影響を与えるものであります。私はまさに、少子化問題は静かなる有事であると認識しております。  今年五月、総務省が十五歳未満の子供の推計人口を発表しましたが、前年より二十五万人少ない一千四百六十五万人でした。これは一九八二年から四十一年連続の減少となっています。少子化は将来の日本にとって大変深刻な問題であり、そこに拍車をかけたのがコロナ禍で、コロナ禍前と比較して、婚姻数、妊娠届出数、出産数が顕著に減少しています。具体的に出生数は、二〇一五年に約百万人であったのが、本年は年間を通して八十万人を下回るおそれが出ています。  婚姻数や出生数の減少の背景には、コロナ禍において、出会いの機会が大いに減少していることや、若い世代が経済的に苦しい状況にあることから、結婚や出産、将来の育児の負担や仕事と子育ての両立に対する不安が高まり、将来に希望を見いだせないのではないでしょうか。  また、若者の恋愛や結婚に対する意識の変化も背景にあると思います。内閣府が六月に発表した男女共同参画白書によると、三十代の独身者は、男女とも四人に一人が結婚願望がないという結果が出ています。理由は様々ですが、自由でいたいという声が最も多い結果になっています。  実際に、若い人と話をすると、結婚する意味が分からない、一人のほうが自由でいい、恋愛が面倒くさいといった言葉を聞きます。  もちろん、結婚や出産、子育てに関しては、一人一人が多様な価値観を持っていて、個々の希望をかなえることができる社会であることが大切であります。しかし、持続可能な社会を実現するためには、若い人たちが結婚、妊娠、出産、子育てに希望が見いだせるような社会をつくることが必要であると私は考えます。  長野県議会では、今年三月に少子化対策推進条例を制定しました。この条例では、ライフデザイン教育の推進を掲げ、県は、学校と連携して、子供が結婚、子育てに希望を持つことができるよう、子供の関心及び理解を深めるために必要な教育を推進することとしています。  また、兵庫県では、高校のキャリア教育において、将来の夢や目標を見つけて、それをかなえるための計画を立てて、それに向かって進んでいく力を育成することを目指して、高校生キャリアノートを使用して、高校生が結婚や子育てと向き合う機会を設けています。  足元で加速する少子化は喫緊の課題であり、その対策に関係部署が横断的に連携し総合的に対処していく必要性がありますが、まずは、若い人たちが正しい理解の下、結婚、妊娠、出産、子育てを自分の人生にどう位置づけていくのか、正面から向き合う機会を設ける必要があると思いますが、知事の御所見を伺います。  次に、ローカル鉄道の維持・確保について伺います。  先日、JR西日本は、利用者の少ないローカル線を公表しました。中国地方では十路線二十一区間が赤字となっており、特にJR芸備線の東城備後落合間は収支率が最低となっています。  JR芸備線は、地域住民の通学や通勤などの移動手段として、また、観光客等の広域的な移動手段として、将来にわたって持続可能なまちづくりを実現していくためには、欠かすことのできない重要な社会インフラであります。沿線の広島市、三次市、庄原市、安芸高田市の四市でつくる、芸備線対策協議会の行った乗客へのアンケートでも、通学、通勤、買物利用などが全体の八割以上を占めるなど、日常生活や経済活動を支える役割を担っております。  本県では、昨年八月以降、JR西日本と沿線自治体と共に検討会議を開催し、JR芸備線の庄原市・新見市エリアの利用促進に向けた議論を進めてきました。  こうした中、十一月二日に開催された「芸備線 庄原市・新見市エリアの利用促進等に関する検討会議」において、JR西日本から、国の有識者検討会が本年七月に取りまとめた地域の将来と利用者の視点に立ったローカル鉄道の在り方に関する提言を踏まえ、存続、廃止の前提を置かない将来の地域公共交通の再構築に向けて、国を含めた関係者と具体的に相談を進めていくことが表明されたところであります。  沿線自治体において、JR芸備線を存続させるための利用促進に取り組んでいる中で、そうした取組の成果を待たず、廃線を視野に入れた議論を進めようとするJR西日本の一方的な姿勢は、これまでの沿線自治体の努力や議論をないがしろにするものであり、地域住民の間には不安と困惑が広がっております。  我が会派といたしましても、これまで国に対して芸備線の維持・確保に向け、繰り返し要望を行ってきたところですが、JR西日本の一連の動きは鉄道の担う公共性を考慮せず、部分的な収支や利用率低迷だけを理由に廃止を前提とした協議を行いたいという思惑であると思わざるを得ず、県としてもこれまで以上に強い姿勢を持って臨む必要があると思います。  そこで、こうしたJR西日本の動きに対する受け止めと、広域自治体である県の役割を踏まえ、ローカル鉄道の維持・確保に向けて、どういった姿勢で取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  最後に、コロナ禍における経済の持続的発展について伺います。  新型コロナウイルスの第八波は、北海道や岩手県、山形県で過去最高の新規感染者数を記録し、広島県内でも昨日、五千人台を超えるなど全国的な広がりを見せております。また、政府の水際対策の緩和と全国旅行支援で人の動きが活発になる中で、これから年末年始の帰省や旅行などにより、さらに流行が加速するおそれがあります。  こうした感染の波に対し、国が基本的対処方針を改正し、オミクロン株の特性を踏まえ、季節性インフルエンザと同時流行しても新たな行動制限は行わないことを原則とし、社会経済活動を維持しながら高齢者等を守ることを重点に置いた感染防止策を講じることなどについて方針が示されました。  また、本県は十二月二日に国の方針を踏まえ、感染の拡大をできるだけ抑えるため、必要な対策を講じて医療で受け止めながら社会経済活動を維持することを基本方針とし、新たに、保健医療の負荷、社会経済活動の状況、感染状況等を踏まえた四段階の感染レベル分類と対策を設定しております。  政府の全国旅行支援で、観光地や宿泊施設には多くの人が戻ってきているようですが、一方、平時であれば忘年会や新年会シーズンを迎え、稼ぎどきである飲食店では、企業等が開催を自粛するなど客足が戻らず、かといって行政の資金的な支援もなく、非常に厳しい状況に置かれています。  政府は新型コロナの感染症法上の扱いについて、危険度が二番目に高い現在の二類相当から季節性インフルエンザと同じ五類相当への見直しに向けて議論を始めており、仮に見直しとなれば、少しでもコロナ禍前の社会経済活動に近づくのではないかと期待しております。  新型コロナウイルスが変異と拡大を繰り返す中で、県民が経済的にも安心して生活できる社会としていくためには、経済活動を止めることなく継続的に発展させていくことが必要であると考えますが、今後、経済の持続的発展にどのように取り組もうとされているのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問は以上でありますが、来年は改選期を迎えるに当たり、一言申し上げたいと思います。  私が初めてこの壇上に立ったのは、平成二十三年の九月の定例会でありました。当時湯崎知事も四十五歳、私も四十五歳でした。あれから約十二年であります。時がたつのも早いものだと、このように思っております。今では知事も五十七歳となって、前髪のほうに少し白髪も見え始め、白髪も似合う感じの知事になられたのだと、このように思っておりますが、一方、私はちょっと対象面積は少ないのですけれども、皆さんは分からないかもしれませんが、白髪が実は多くなってきております。私も、白髪が似合う議員となるように、これから創意工夫を重ねてまいりたいと思っております。  来年も引き続き、皆様方と共に、本県の発展のため精いっぱい頑張ってまいりたく、皆さんもよい新年を迎えられるようお祈り申し上げ、私の話とさせていただきます。御清聴、誠にありがとうございました。(拍手) 60: ◯議長中本隆志君) 当局の答弁を求めます。知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 61: ◯知事湯崎英彦君) まず、県の目指す地方分権型国家についてお答え申し上げます。  我が国が将来にわたって国際競争力を維持し、持続可能な社会を実現していくためには、多様性、自立性を持った地域で構成される地方分権型国家の構築が必要不可欠であると認識しております。  その一つの在り方として、国は、外交、防衛、グローバル経済に専念し、地方は、より拡大した権限と財源を有し、住民に近い行政を担う基礎自治体と広域エリア全体の総合的な発展戦略を担う広域自治体から成る地方分権型道州制が最適であると考えております。  このため、本県ではこれまで国に対して、道州制の制度設計等を本格的に議論するための提言や、県民の皆様や市町、経済界等の理解促進を目的に、経済団体と連携したシンポジウムや勉強会の開催、道州制に賛同する道州制推進知事・指定都市市長連合との連携などに取り組んでまいりました。  一方で、国における道州制の議論は、自由民主党における道州制推進基本法案の平成二十六年通常国会への提出が見送られ、また、令和四年七月の参議院議員通常選挙では、政権公約に道州制の導入を掲げた政党が一つとなるなど、低迷している状況でございます。  加えて、昨今の新型コロナウイルス感染症の影響により、経済団体と連携したシンポジウムや勉強会の開催を見送らざるを得ないなど、道州制に関する機運醸成を図る取組が十分には実施できていない状況でございます。  こうした中、本県が目指す道州制の議論を再度進めるためには、道州制の議論とともに、その前提となる地方分権改革の推進が重要であると考えております。  そうした考えの下、私自身も全国知事会の地方分権推進特別委員会委員長として、国と地方が率直に意見交換を行う場の設置や適切な責任、権限に基づく国と地方の役割分担の見直しについて、直接、岸田総理や岡田内閣府特命担当大臣に対して提案してきたところでございます。  また、本年六月、産学の有識者が、統治構造改革などのテーマについて合意形成活動や世論喚起に取り組む、令和国民会議が発足し、十一月には、その活動理念に賛同する二十二県の知事による知事連合を結成したところでございます。こうした有志の知事などとも緊密な連携を図りながら、道州制の前提となる地方分権改革などの議論を深めるとともに、道州制の実現に向けて、機運醸成を図ってまいりたいと考えております。  今後とも、地道に粘り強く、国への提案や国民の皆様への啓発活動に取り組んでまいります。  次に、少子化対策についての御質問でございます。  本県の出生数は、昭和四十八年の五万六百三十九人をピークに減少傾向が続いており、近年は出産適齢期の女性人口の減少により、出生数の減少がさらに加速し、令和二年には二万人を割り込み、令和三年は一万八千六百三十五人となっております。  合計特殊出生率も一・四二と、全国の水準を上回ってはいるものの、国が「少子化社会対策大綱」において目標と掲げております希望出生率一・八を、大きく下回り、厳しい状況が続いております。  こうした状況の中、本県では、結婚や妊娠、出産を希望される方の希望の実現を後押しするという方針の下、出会い、結婚支援や不妊治療への支援、ひろしま版ネウボラの構築による妊娠、出産、子育ての安心感の醸成、働きながら子育てできる環境づくりなど、県民の皆様の希望の実現を阻害する様々な課題への対策を総合的に講じているところでございます。  これらの取組を進める上でも、結婚や妊娠、出産、子育てに対して、将来にわたる展望を描ける環境を構築し、希望を抱いていただくことは重要であり、これから結婚、妊娠、出産、子育てというライフステージを迎える若い方に、正しい知識や行政の支援策などの情報や人生設計を考える機会を積極的に提供していく必要があると考えております。  このため、高等学校におきましては、家族、家庭の意義等についての理解を深めることに加え、令和元年度から、男女共同参画の視点から結婚、出産、育児などについて考え、自ら選択する力などを育成するライフマネジメントに関する学習プログラムの活用を始めたところでございます。  また、大学進学後や就職等の人生の節目で、ライフデザインを描く機会を繰り返し設けることで、自身の夢や希望がより具体的になり、学びや仕事と結婚、妊娠、出産、子育てを人生の中でどう位置づけていくか、真剣に向き合うことにつながるものと考えております。  そのため、本県では、平成三十年度にライフデザイン啓発サイトを開設し、二十代前半の若者をターゲットに、結婚、妊娠、出産、子育て、仕事を含めた自身のライフデザインマップをウェブ上で描くことができるツールを提供しております。このサイトは、ライフデザインの多様化に対応するとともに、ターゲット層への訴求力を高めるため、今年十一月にリニューアルし、結婚、妊娠、出産、子育てだけでなく、仕事や学び、暮らしやお金にまつわる情報や全国と広島県を比較したデータ、県の支援策等を参考にしてもらいながら、より具体的な人生をイメージできるようバージョンアップしております。  今後は、市町の成人式の場や大学のキャリア教育等の場を活用してサイトの周知を進め、より多くの若者が正しい知識や情報に基づいてライフデザインを描く機会を提供するとともに、個人のライフステージに応じた関連施策を効果的に展開することにより、若い世代が将来にわたる展望を描けるよう、取り組んでまいります。  次に、ローカル鉄道の維持確保についてでございます。  地方鉄道は、地域住民の通学、通勤、通院などの日常生活を支える重要な交通基盤であると同時に、観光による地域活性化など、まちづくりを含めた地方創生を進めるために重要な広域ネットワークであると認識しており、これまでも、芸備線をはじめとした沿線自治体などと共に、臨時便の運行や利用者が沿線を周遊したくなるような仕掛けづくりなどに取り組んできたところでございます。  また、昨年度、JR西日本におきまして、内部補助によって成り立ってきたローカル線の在り方について、問題提起をされたことなどを契機に、全国のローカル鉄道の存廃の在り方に関して危機感が生じた際には、国などに対し、県議会の御協力も頂きながら、あらゆる機会を通じて、内部補助の考え方も含めた鉄道ネットワークの方向性や国の支援、鉄道事業法における手続の見直し、国の関与などについて申し入れてまいりました。  こうした中、本年七月、国の鉄道事業者と地域の協働による地域モビリティの刷新に関する検討会におきまして、利用者が低迷する線区や区間において、国の主体的関与により、都道府県を含む沿線自治体、鉄道事業者などの関係者から成る協議会の設置や、鉄道の地域における役割や必要性を再確認した上で、鉄道特性の調査や利用促進事業などから得られたファクトやデータなどに基づき、必要な対策に取り組むことなどが盛り込まれた提言が出され、現在、国において、法制度化などに向けた検討が行われているところでございます。  一方、JR西日本からは本年四月に続き、先日も、ローカル線に関する課題認識と輸送密度が一日二千人未満の線区に関する収支率、営業係数、営業損益について発表があり、また、先月行われた利用促進検討会議では、特定の前提を置かない将来の地域公共交通の姿の議論について、今後の進め方を、国に相談したいという話がございました。  本県といたしましては、JR西日本の特定線区のみを取り出し、内部補助を含めた事業構造が維持できなくなったという主張は、路線全体で収支を検討する必要があること、国鉄改革の経緯を踏まえ、地域への路線維持の責任があることなどの観点から、発表された地域に対する説明としては不十分であると考えております。  現在、行われている国の法制度化に向けた、検討の状況を注視するとともに、今後、特定線区再構築協議会が設置されることになる場合は、存続、廃止のいずれもありきといった前提を置かず、ローカル鉄道と沿線の活性化を含めた幅広い議論が行われるよう対応してまいりたいと考えております。  今後とも、利便性が高く持続可能な地域交通が確保され、さらに、それが沿線地域全体の活性化につながるよう、現在行っている「広島県地域公共交通ビジョン」の検討状況も踏まえながら、国、地元自治体、交通事業者と連携して取り組んでまいります。  次に、コロナ禍における経済の持続的発展についての御質問でございます。  本県経済につきましては、個人消費や設備投資に持ち直しの動きが見られる一方で、県が十一月に発表したアンケート調査では六割近くの企業がコロナ前の売上げに戻っていないと回答するなど、依然としてコロナ禍は幅広い業種に影響を及ぼしていると考えております。  加えまして、円安の進行などに伴い、原材料やエネルギー、食料品などの価格高騰に拍車がかかり、価格転嫁が困難な企業の収益を圧迫している状況にございます。  こうした認識の下、本県では県内事業者の置かれた状況をしっかりと把握するため、県内企業に対する経営環境の調査や、市町、経済団体等との直接の意見交換などを行うなど、きめ細かく情報収集を行い、施策への反映に努めてきたところでございます。  このたびの十二月定例会におきましては、運輸事業者に対する環境対応車やエコタイヤの導入支援、飲食事業者に対する感染症拡大防止と経済活動の両立に向けた前向きな投資への支援などを拡充するほか、ものづくり企業に対する研究開発支援や円安を契機とした企業の海外への販路拡大支援などに取り組むことを提案しており、その効果が皆様に早く行き届くよう、速やかな事業執行に努めてまいりたいと考えております。  こうした足元の対策を講じた上で、今後の本県経済の持続的発展に向けては、本県経済の柱であるものづくり産業や観光関連産業に加えまして、カーボンリサイクル技術を含めた環境・エネルギー分野、ゲノム編集技術等を活用した健康・医療関連分野など新たに本県の強みとなる可能性のある新成長産業のさらなる育成を図るほか、今後大きな成長が見込まれるデジタル系企業の集積や、スタートアップ企業への支援などに取り組んでいくことで、複数の分野、領域が柱となる、しなやかな産業構造の構築を図ってまいります。  さらに、全国に先駆け、今年から二大重点プロジェクトとして、今後十年間でユニコーン企業に匹敵するような企業を十社創出する、ひろしまユニコーン一〇プロジェクトと、デジタル化等に対応したスキルの取得や円滑な労働移動の実現を図る、リスキリング推進企業応援プロジェクトを始動させたところであり、今後はさらにこの取組を加速させていきたいと考えております。  今後とも、こうした取組を重点的に推進していくことにより、地域経済の持続的発展に向け、全力で取り組んでまいります。 62: ◯議長中本隆志君) 教育長平川理恵君。         【教育長平川理恵君登壇】
    63: ◯教育長(平川理恵君) 三点についてお答えいたします。  まず、公立高等学校における県と基礎的自治体の役割分担についてでございます。  県立高等学校につきましては、高等学校教育の機会均等の確保と質的水準の維持向上の観点から、私立、市立及び国立高等学校の配置状況を考慮しつつ、県内各地域にバランスよく配置するなど、全県的な視野に立って、教育を提供することが求められているものと認識しております。  また、今後、ますます児童生徒数の減少が見込まれる中におきましても、地域のニーズや生徒、保護者の希望等に応えることができる学校、課程及び学科等を私立、市立及び国立高等学校と協力、補完しながら、適正に配置する必要があると考えております。中でも、市立高等学校につきましては、設置市におかれまして、市民の皆様のニーズや期待に応え、社会の発展に寄与する有為な人材を輩出するといった設置の背景をお持ちであると認識しております。  こうしたことから、「今後の県立高等学校の在り方に係る基本計画」の次期計画の検討に当たりましては、設置市における市立高等学校を取り巻く事情があることも想定されることから、積極的に情報交換等の場を設けるなど、関係市教育委員会と緊密な連携を図ってまいりたいと考えております。  次に、県費負担教職員制度についてでございます。  国の法改正により、指定都市に教職員給与の決定や学級編成基準の設定に係る権限が移譲されたことに伴い、現在、給与や学級編成の面で、県と広島市において一部内容の異なる点が生じております。  まず、給与面では、小中学校教員の初任給を比較した場合、地域手当を含めた金額では、広島市の方が月に約八千円高くなっております。こうした給与面の差もあり、人材確保への影響を懸念しておりましたが、教員採用試験における志願者の県市別の希望は、どちらでもよいとする者を除いて、権限移譲前の平成二十八年度は、県を希望する者が一七・一%、広島市を希望する者が二五・九%であったのに対し、今年度は、県の希望が三三・八%、広島市の希望が二八・五%となっており、県の希望者が大きく増加しております。  これは、教員採用試験を県市共同で実施する中におきましても、より多くの方に県を希望していただけるよう、県教育委員会独自で、教師養成塾や大学での出前講義を行い、本県が進める学びの変革への参加を呼びかけたことなどにより、県の教育施策に魅力を感じていただけたのではないかと考えております。  このほか、学級編成の面におきましては、国の学級編成標準の改正に伴い、県においては小学校の三十五人以下学級を実現できるよう、令和七年度までに段階的に取組を進めているところでございます。一方、広島市におきましては、現時点で既に、中学一年生まで三十五人以下学級を実施しておりますが、複式学級と特別支援学級を除く、一学級当たりの平均児童生徒数を比較したところ、小学校では、県が二十六・二人、市が二十八・六人、中学校では、県が三十・八人、市が三十三・六人となっており、いずれも県の平均人数が少ない状況となっており、大きな影響はないものと考えております。  県教育委員会といたしましては、こうした指定都市への権限移譲の中であっても、その影響を最小限にとどめるよう、引き続き、県全体の教育水準の向上に努めてまいります。  最後に、小規模校の意義についてでございます。  まず、令和四年二月定例会において御答弁いたしました、配慮についてでございます。  いわゆる小規模校、とりわけ中山間地域に所在する学校につきましては、地域の次代を担う人材の育成という観点からも、非常に重要な役割を担っているものと考えております。  このため、次期計画におきましては、県立高等学校の課程、学科の在り方や、配置及び規模の在り方などに係る方向性をお示しする中で、今後の児童生徒数の推移や公共交通機関の利便性などの中山間地域の実情等を踏まえ、当該地域に所在する高等学校が担う役割等を十分考慮したものとなるよう、配慮する必要があると考えております。  次に、八十人の基準の考え方についてでございます。  一学年一学級規模の高等学校につきましては、生徒数や教職員数が少なく、教科等における学習活動や行事等の特別活動、さらには部活動等で制約が生じやすくなることなどから、生徒が授業等において一定の選択幅を持つことができ、集団の中で切磋琢磨できる環境を整えるためには、少なくとも、三学年分の収容定員百二十人の三分の二となる八十人を確保する必要があると整理したところでございます。  最後に、公立高等学校の意義と公立の小規模校が担う役割についてでございます。  高等学校につきましては、今日では、中学校を卒業したほぼ全ての生徒が進学する教育機関となっており、この中で、公立高等学校の意義といたしましては、様々な背景を持つ生徒が、多様な能力、適性、興味、関心等に応じた個別最適な学びや協働的な学びを通じて、豊かな人生を切り開き、持続可能な社会のつくり手となるために必要な資質、能力を身につけることができるようにすることであると認識しております。  また、小規模校が担う役割につきましては、小規模校ならではのメリットを生かし、生徒一人一人に寄り添い、特性や学習進度等に応じて指導方法や教材、学習時間等を柔軟に設定するなどの指導の個別化や、生徒の興味、関心、キャリア形成の方向性等に応じた学習課題を提供するなどの学習の個性化を充実すること、小集団で機動的に活動できることを生かし、地元地域をフィールドとした実践的な学習活動等をより多く実施することを通して、地域への愛着や誇りを育み、将来的に地域に定着し、貢献できる人材を育成することなどがあり、そうした効果が発揮できるよう取り組んでいるところでございます。  県教育委員会といたしましては、引き続き、全ての子供たちが、一人一人の適性や興味、関心などに応じた個別最適な学びにより、右肩上がりに成長できるよう、小規模校で得られた学習効果も生かしながら、より一層の学校の特色づくりの推進や教育の質的向上などに努めてまいりたいと考えております。 64: ◯議長中本隆志君) これをもって質問を終結いたします。  お諮りいたします。ただいま上程中の議案中、県第一三二号議案 広島県収用委員会委員の任命の同意については、この際、委員会への審査の付託を省略し、直ちに本会議において議決するに御異議ありませんか。         【「異議なし」と言う者あり】 65: ◯議長中本隆志君) 御異議なしと認めます。  それでは、県第一三二議案 広島県収用委員会委員の任命の同意についてを採決いたします。本案は原案に同意するに賛成の諸君は御起立願います。         【賛成者起立】 66: ◯議長中本隆志君) 起立総員であります。よって、本案は原案に同意するに決しました。  その他の各案については、それぞれ所管の常任委員会に審査を付託いたします。議案付託表は後刻お手元に配付いたします。  お諮りいたします。明十五日及び十六日は、委員会審査のため、本会議は休会とするに御異議ありませんか。         【「異議なし」と言う者あり】 67: ◯議長中本隆志君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決します。  次回の本会議は十二月十九日午前十時三十分から会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。         午後三時八分散会 発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...